公開結社豪泣部

天皇誕生日の今日・・・

「ありがとうございます！！！！！」

俺は感謝の言葉をシャウトしながら滝に打たれていた

そう・・・

ここは南米ギアナ高地

と言いたいところだが、違う

実際には、奈良県の某所のとある寺院の奥にある滝だ

そこの滝に上半身裸で打たれる

滝行と言えば、釈尊によって否定された苦行の一つであるはずなのに・・・

なぜ寺の境内にそのようなスペースがあるのか？？
（まあ神仏習合っぽいから、ギリセーフなのだろうか・・・）

つうことで、話は３週間くらい前までさかのぼる・・・

「滝に打たれる人募集！」

ある日・・・

居合の道場のグループラインに師範が投稿した

滝行・・・

なんだか新しい自分になれそうな気がする

滝によって今までの俺の罪、全てを流す・・・（流れるような気がする）

３０歳節目の年にふさわしい

そして・・・先日、災害派遣から帰ってきたわけだが

平和な日常というものが退屈で仕方がない

圧倒的にヤバい状況

俺はこれがないとダメだ

ということもあり・・・

「行きます！」

とライン上で手を挙げたのが始まり

そうして今日が来た

参加メンバーは俺以外は全員空手部門

うちの道場は居合と空手をやっており、メンバー比は１：９で空手が圧倒的に多い

空手部門の師範代クラスや今は引退しているが、かつて師範と同じ道場（※）に通っていたメンバーのおっさんたち
（※うちの道場が暖簾分けしてできる前に世話になっていた道場らしい）

そして双子の小学生

合計７人のメンバーで挑む

挑む・・・といっても、滝行というのはいきなり始めるものではなく、最初に経を唱えたりするらしい

メンバーの一人に毎年秋～冬になると滝行をしに来るというおっさんがおり・・・みんなでお堂に入り、そいつの唱える経を聞く

なお、事前に護摩木を書くことを推奨されたため、書くことにした

交通安全、家内安全、良縁祈願などいろいろあるが・・・

（俺にはこれしかない！！）

目に留まった瞬間、手に取った「厄除」の護摩木！！

（これで降り注ぐ淘汰の雨から俺は解放されるのだ・・・！！）

まあもっとも、俺自身が「厄」という考え方もあるが・・・

そんな護摩木とともに読み上げられる経

作法のためか？経を読みながら、オッサンは手を掲げたりしていた

そうして読経が終わり・・・

滝行衣に着替える

滝行「衣」と言っても、実際には巨大なフンドシのようなものであり、上半身は裸！

２月の山奥の寒空の中・・・その状態で滝に入る

ノーパン状態で装備するように言われたが、こいつが濡れて透けたりしないだろうか・・・？

別に俺は良いのだが、一般の方も来る場所だし、ちょっと不安である

とまあいろいろあったが・・・

いよいよ滝行！

読経していたおっさんのレクチャーが入る

「滝行は厳しい修行です・・・気合が無ければ耐えられません。では気合を出すためにはどうすれば良いか？」

（ブラック企業で働く・・・？）

そんな考えが一瞬脳裏をよぎったが

「大声を出すことです！！「えい！！」と「ありがとうございます！」打たれている間はそう大声を出してください！！」

一体何に関する謝意なのだろうか・・・？

まあいい

大声を出すのは苦手で、居合道部にいたころは苦労したもんだが・・・

《えーい！！！》

まずは腕から慣らしていく

見かけに反して激しい滝の水圧に戸惑うが・・・

≪ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！！≫

いよいよ滝を頭で受ける

（ちなみに水圧の衝撃で脳震盪を起こすことがあるため、ホントはうなじのあたりで水を受けるのが良いらしい）

良い子はマネしないでほしいが・・・

やはり、滝行といえば、頭で水を受けるイメージではないだろうか！


言うまでも無く・・・

死ぬほど寒い・・・というか冷たい

つま先の感覚などとうに失せている

「もっと大きな声で！！！！！！！」

しかし、そんな俺の雑念をかき消すかのように響くおっさんの声

あー・・・まじで居合道部にいた頃思い出すなコレ・・・

こうなりゃ自棄である

《ありがとうございまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす！！！！！！》

あれ・・・

なんだか・・・

（冷たい滝に打たれているはずなのに・・・温かい・・・？？？）

相変わらず、つま先は死ぬほど冷たい

が

上半身・・・とくに水が当たっているところが温かいではないか！

（これが・・・明鏡止水の心・・・！？）

胸から下はまるで自分自身じゃなくなったみたいな・・・不思議な感覚

「何か感じませんか？！」

おっさんも俺が明鏡止水の心を掴みつつあることに気付いたらしい

「大きく息を吸って！！！」

すぅーーーー

俺がこんな風に大きく息を吸うなど・・・ファック中以外ではかなり久しぶりである

「吐いてーーーー！！！！」

はぁーーーー

・・・

今度は手のアタリまで温かくなった

謎の高揚感に包まれる

《ありがとうございます！！！！！》

最後にもう一度シャウトし・・・

俺は滝から出た

つうことで

つづく！！

俺たちが防護服を着たりなんやしている間に・・・

ウンコ本体は、防護服も着ずに飛び出していった隊員や・・・そこらへんの手際のよい住民によって、粗方片付けられていた
（この避難所は、このような一部のよく動く住民の力によって成り立っている部分が大きい）

そのため、俺たちは消毒作業に専念する

消毒用のワイパーで床を拭いたり・・・

汚物の付着したものを捨てたり・・・

そんなこんなで任務完了


まるで悠久の時が流れたかのような気持ちになったが・・・

時計を見ると

（事件開始からまだ３０分しか経っていない・・・だと・・・？？）

２時間くらいは経過したものかと思っていた

ちなみにウンコを漏らしたババアはオムツを装備しており・・・

オムツのキャパシティを超えるウンコを放出した結果、今回のような事件が起きたらしい

一部の高齢者はどうやら、トイレまで移動して排泄するのが足腰が弱いせいで難しいらしく
（衣食住０円の避難所でずっとテレビとか見て過ごしているだけなんだから、せめてそれくらいの努力はしてほしいのだが・・・）

オムツで済ますやつが増えているんだとか（ほかの住民から聞いた）

つうことで一件落着

だが、避難所の高齢者の扱いについては今後の課題となった

そんな感じで、他にもエピソードいろいろあるけど、このネタでずっと引っ張るのもつまんないので、災害派遣編は終わり

つづく！

ババアがウンコを漏らした

簡単に言うと、そういうことである

（クソったれが！！）

この言葉をまさか文字通りの意味で使う日が来ようとは・・・

が

問題はそれだけではない

「ノロウイルスの可能性も一応あるよな・・・」

班長が懸念を口にする

今日という日まで、ウンコを漏らさなかったババアが突然漏らしだした・・・

その引き金となったのが、ノロ・・・なんてのは、あり得る話である

班長の発言を耳にした一同が「ゾワッ！」としたのが目に見えた

避難所内で現在最も恐れているのは、感染症の更なる拡大である

基本的に、人口密度が高い空間となっているため、隔離が難しい

また、隔離できたとしても、キャパシティには限界がある

学校なので、空き教室を使えばいくらでも収容すること自体はできるが・・・

それは学校側が非常に嫌がるだろう

学校再開への道がまた一歩遠のくことになるからだ

この学校は元来、「避難場所」であって、「避難所」ではない

故に学校を本来の形に早く戻したいというのが、学校側の・・・言い換えれば校長の意思である

そんな背景もあり・・・

単なるババアのウンコ漏らしは、我々隊員にとって、大きな危機感を与えるものとなった

「防護服を着て、避難所エリアで消毒作業をお願いします！！」

班長の命とともに、メンバーが一斉に防護服を箱（※）から取り出す
（※支援物資の入っている箱が本部にある）

が

みんなが給食当番みたいな前掛けスタイルなのに対し・・・

「私のだけなんか違う！？」

俺が取り出したのは、ゴーストバスターズのような・・・ガチの防護服ではないか！

（↓これの白くてフードが付いてる版・・・のようなイメージ）


（マジで！？）

俺としてはいろいろとツッコみたかったが・・・

（早く出ないと！！）

防護服を身にまとい

ノロ消毒用の次亜塩素酸を片手に避難所エリアに走る俺！

突然だが・・・

「避難場所」と「避難所」の違いをご存じだろうか？

避難場所は地震などの際に一時的に身を寄せる場所

避難所は家などに帰れなくなった人が、しばらく暮らせる場所

である

正直、俺も災害派遣に行くまで知らなかったし

恐らくほとんどの火とも知らないだろう

その結果・・・

元来、「避難場所」である小学校で、なし崩し的に避難民が暮らし始めるようになり・・・

「避難所化」してしまっている

そのうえで言うと・・・

小学校の避難所エリアは体育館である

体育館の中にテントがあり、その中でみんな暮らしている

その体育館には２階部分があり、ギャラリーというか観客席というか（正式にはキャットウォークという名前らしい）、ちょっとしたスペースがあり、そこに俺たちの本部がある

（↓これのもうちょっと広い版をイメージしてほしい）


名前こそ「本部執務室」だが、実際にはデスクは卓球台であり、その周りにパイプ椅子を並べただけのもの

如何にも急ごしらえの本部、といった感じである

そんな２階の本部から、１階の避難所エリアで問題が起きてないか見守る・・・というのが職務の一つなのだが
（足を使った巡回も行うが、住民に配慮し、避難所エリアには必要以上に立ち入らないようにと言われているため、上から見ていることが多い）

２月某日　１７：１５ごろ

「（ざわざわざわ・・・！！）」

にわかに避難所エリアが騒がしくなり始めた

何か起こったようだ

（様子でも見てくるか・・・）

なんて思っていた矢先

「京都さーん！！」

住民からも呼ばれた
（災害派遣隊の隊員は現地民から「京都さん」と呼ばれている）

これはまずい

「京都さーん！」と呼ばれた後、ロクなことが起きた例がない

嫌な予感を感じながら、俺と他メンバーが本部から顔をのぞかせると・・・

（？！）

なんか

本来であれば・・・

そこにあるべきものではないモノが体育館の床にへばりついていた

なんか茶色くて・・・ベチャっとしていて・・・

ウンコのような・・・

（ウン・・・・？）

「おばあちゃんがうんこ漏らしちゃったのよー！！」

おいおい・・・

マジかよ・・・！？

つうことで

つづく！

海賊王とは、最も自由なやつを指す言葉らしい

だとすれば・・・

（ここに「海賊王」は一体何人いるんだろうか？）

住民たちは自由である

コロナで隔離部屋に入れられているのに、勝手に脱走した挙句、禁煙の校舎内でタバコを吸い、挙句、吸い殻をそこらへんに捨てたり・・・

あるものは、隔離部屋から脱走して、本部にくだらない用件を言いに来たり・・・
（お前のせいでコロナが本部のメンバーに移って、機能停止したりしたら、こいつはどうやって責任を取るのだろうか？）

どいつもこいつも少しの間くらい大人しくしてられないのか？

説明が遅れたが・・・

基本的には、このように避難所内で毎日のように起こるトラブルやインシデントに対応するのが仕事である

避難所運営というより、トラブルシューティング要員

その合間に支援物資や配給の管理、住民の健康観察、各種問い合わせ窓口等々の本来的な業務を行う

本来業務であれば、恐らく２人もいれば十分に事足りるであろう

が

トラブルシューティングはそうもいかない

早く隔離部屋から出たいがゆえ、発症日をバックデートするジジイ

自分の子供の粗相を他の住民に注意されただけで、激昂する母親

避難所共用スペースで盛大にウンコを漏らすババア

特例的にペットの犬の持ち込みを認められているにも関わらず、ケージから出すババア
（しかも犬がそこらへんでウンコした）

話が支離滅裂でなんて言ってるのか分からないババア

自分もババアのくせに、人のことをババア呼ばわりするババア

主にババアが問題を起こす

ちなみにこの国の生活保護受給者のボリュームゾーンは高齢女性である

現役時代に対して稼ぐこともせず・・・

そのくせやることもないのに、無駄に生き永らえ・・・

国庫を食いつぶさんとする・・・

話が逸れたが

とりあえず明日はババアのウンコ漏らし事件について書こうかな

つづく！