「痛みには強いですか?」
は・・・?
そう聞かれ、唖然とする俺
映画とかでよくある主人公が拷問される前に悪党から言われそうなセリフである
というか痛みに強いとか弱いっていうバロメーターはなんだ?
自己申告制か?
定義は何だよ・・・
まあいい
とりあえず
「ええ、まあ・・・」
定義できないことを聞かれるのは苦手である
はてさて
俺はこれから拷問でも受けるのだろうか
否
断じて否
ことの顛末を順番に話していくとしよう・・・
・・・
あれは一年くらい前だったか
・・・東京都渋谷区代々木にある
某アパートにて
俺は社長の家に遊びに来ていた
社長・・・またの名をフジ〇カという
矢鱈とあくびしていたことで有名なやつだ
社長は言う
「今度、ヒゲ脱毛しようとおもてんねん」
まじか
そいつは思い切ったな
俺は言う
「だってさ、ヒゲって別に要らなくね?毎朝剃るのもめんどうだし、さ」
確かになあ
その言葉に至極共感した俺は、その日からヒゲ脱毛について意識するようになった
だが、しらべてみるとヒゲ脱毛は赤くなったりとか、ヒゲが抜けきるまではむしろ濃くなったりするらしい
それは嫌だな・・・
不格好である
そんな思いから、ヒゲ脱毛を見送っていたわけだが・・・
事態は一変する
コロナである
これにより、マスク装着が必須となり
ヒゲ脱毛による上記懸念事項が事実上、なくなったのだ!
といういきさつで・・・
今日、俺はヒゲ脱毛に来ていた
ヒゲ脱毛というのは様々なアプローチがあるが
その全てに共通するのが、ヒゲの毛根を潰す、ということである
換言すれば・・・
痛い
「痛みには強いですか?」
脱毛屋のやつにそう聞かれたのはそういう背景である
さてさて・・・
俺は施術台に寝そべっていた
脱毛サロンというと歯科衛生士をおしゃれにしたような女がやってくれるイメージがあるが
俺の横で椅子に座り、脱毛用の機械を持っていたのはオッサンであった
「では、始めますねー」
まずは顎からである
ピンセットでヒゲを抜き、そこにレーザー?かなんかを使い毛根を潰していく
この痛みを例えるなら・・・
毛抜きでヒゲを抜いたときの感触だ
諸君はあるだろうか
俺はたまに抜いているが
ヒゲには二種類あるように感じる
抜くと痛気持ちいいヒゲと
めっちゃ痛いヒゲ
そして、この痛みは・・・
当然、めっちゃ痛い方のヒゲを抜いた時の感触!!
いや、顎ならまだいい
問題は鼻の下
いってえ・・・!!
「鼻の下、痛くないですか?大丈夫ですか?」
「だい、大丈夫です・・・」
やせ我慢する俺
歯医者でもそう
痛かったら手を挙げて、と言われるが
いつも上げない
それが俺の生きざまである・・・!!
そんな痛みに凡そ耐えること150回
俺は解放された
「おっしゃる通り痛みには強いみたいですね!鼻の下とか痛がって途中でやめる人とかいますから」
痛みに耐えた甲斐あって
脱毛した部分は素晴らしくすべすべで
初めから何も生えていなかったようになっていた
しかしながら
これで終わりではない
一年くらい通わないといけないらしいのだ
まじかよ・・・
つうことで
つづけ