公開結社豪泣部

「あ、どうもMさん。今日は暑いですねえ」

会社に行くと・・・

Aさんと会った

今の会社で唯一と言える俺の知り合いである

部署は違うが、よく色んなことを話している

「お仕事の方はどうですか？」

いつもこんな感じで、世間話のイデアのようなテーマから入る

『うーん、まあまあですかね』と俺はてきとうに答えた

「まあまあですか。僕なんか今日は出社ですが、明日なんて仕事しないですよ。まあまあ以下です。はは」

『明日仕事をしない？休みですか』と俺が言うと

割と衝撃的な答えが返ってきた



「いえ、テレワークですよ。でもいつも寝て過ごしています」

『！？』

冗談・・・なのだろうか

しかし

本当かもしれない

というのも

「だって、パソコン持って帰るの重たくって嫌じゃないですか。だから、何もできなくてね」

『！？』

これはまじで

寝ているのかも知れない・・・！？

Aさんは月金以外はテレワークである

そう考えると実労働は２日だけだが・・・？？

『いやでも、そんなことで仕事になるんです？』

普通に考えればとても間に合わない

「ええ、間に合ってないですよ。だって今僕がやってるこの案件も、放置しすぎちゃって一年前のものになりますもん」

『！？』

一年前・・・！？

それ、むしろやる意味あるのか・・・！？

「でも今の話、みんなには内緒ですよ。ふふふ」

『！？』

ここ、オフィスのど真ん中なんだが・・・！？

どこからどこまでが冗談なんだ

全部本当か？

それとも全部嘘か？

俺も仕事熱心なほうではない

抜け道や手抜きのことは全力で考えるが

そのエネルギーを正攻法で正面突破に使おうとは思わないし、実際そうしてきた

が

この人・・・

そんな俺なんか比ではない！

すげえ

前々からなんとなくやばい人感は感じていたが

やはり俺のカンは正しかったようだ

つうことで

つづく！！

「あんたはどうせ、しょーもない女と結婚するのよ。中身のないような女とね」

俺が子供の頃・・・

おかんはよく俺にそう言っていた

テレビや映画、アニメなどでおかんの言うしょーもない女が登場すると、決まってだ

それを聞くたび俺は「そんなことない！・・・多分」と反論していたものである

・・・

あれから長い月日が経ったわけだが

そもそも俺は結婚するのか？

それ以前に

好きとファックしたいという気持ちの違いがよく分からない

好きだけど、やらせてくれない女がいたとしたら

俺は嫌いになるだろう

では逆はどうか？

好きじゃないけど、やらせてくれる女がいたとしたら

多分好きになる

嗚呼

本当によく分からない

好きとファックしたいの違いが・・・

・・・

今日は夢を見た

前の女とファックする夢だ

率直に言って楽しかったし、嬉しかった

やはりファックできる女は無条件に好きだ！！

だが何よりも俺が感じたのは

希望

再び世界を愛し、愛されることへの希望で俺の胸は膨らんだ

・・・

しかしその胸は、目覚めとともに絶望によって押し潰された

理由は二つ

それがただの夢であったこと

そして何よりも、何であんな夢見てしまったのか、という点である

俺の深層心理が顕現したとでもいうのか・・・？

やめてくれ・・・

世界よ・・・

俺をもうこれ以上弄ばないでくれ・・・

女の本質は裏切りである、とか言いながら

裏切らない女を渇望している俺がそんなに気に入らないか？

ツンデレってやつだよ

だから優しい目で見守っていてくれ・・・

どうか俺をもう一度救ってくれよ・・・

つうことでつづく

大学時代・・・

俺の知り合いに「提督」と呼ばれた男がいた

何故提督なのかは分からない

当時大流行りしていた艦隊これくしょんともどうやら関係なさそうだった

未だに謎である

そんな謎の提督とは、居合道部の先輩を通じて知り合った

俺と非常に親しかった先輩の知人、ということで紹介を受けたのだ

提督はまるで漫画に出てくる探偵のような恰好をしており



その後、知ることになるのだが

普段からずっとその服装をしているようだった

変な人である

だが

変わっているのはそれだけではない

経歴も異色であった

提督は高校を卒業してから、真っすぐ大学に入ったのではなく

陸上自衛隊に入隊したらしい

そこで訓練に明け暮れる毎日だったそうだが

致命的な「やらかし」をしてしまい、自衛隊にいられなくなってしまったと言っていた

一体、どんなやらかしなのかは教えてくれなかったが

どうやら陸上自衛隊ではちょっとした語り草になっているほどのレベルらしい

その後、大学で学ぶことでキャリアの立て直しを図ろうと決意し

うちの大学にやってきたらしい

当時の提督は三年生であったが

何度もこう言っていた

「自衛隊に戻りたい。でももう戻れない・・・」

どうしてですか、と俺が聞くと

「生きるか死ぬかの世界でしか、俺は生きられないんだ」

遠い目をして決まってそう答えていた

それを聞いた俺は、何が何やら分からず

ただの痛い妄想かと思っていた

が

あれから６年あまりの月日が流れ・・・

俺はようやくその意味を知ることになる

２０１７年４月以来・・・

俺の毎日は生きるか死ぬかの日々であった

まずはムショ

これ以上やったら死ぬ

と本気で感じる瞬間を毎日１０回は味わいながら

それでもベルトコンベアーを止めるわけにはいかないため、死ぬ気で食らいつく毎日

視界の上半分は常に三途の川で

生きた心地がしなかった

そして次は販社

コンプラなんてどこにもない

ノルマのためにやれることなら何だってやった

一週間先のことなんて考えない

一日一日をどうやって誤魔化し、終わらせられるか

それだけを毎日考えて過ごしていた

だがしかし

そんな日々も終わりを迎えた

転職である

俺は何年も恋焦がれた安定、安心して過ごせる生活を手に入れ・・・

ここ数年でも最もまともな暮らしを手に入れた

不満なんてない

そのはずだった

だった・・・

が

足りない

何かが・・・

足りない！！

いや

何か、ではない

俺には分かっている

そう

俺は

もう

生きるか死ぬかの世界でしか満足できなくなっているのだ・・・！！

何たる皮肉

戦いの中でしか生きられない狂戦士

それが俺

戦いを終わらせるために戦っていたはずなのに

気が付けば戦いの中でしか生きられなくなっていた

そんな俺に

行き場所も生き場所もなく・・・

今日も当てもなく浮世を彷徨い続けるのである・・・

つうことで

つづく

「この日、残業しているけど事前に申請した？前の会社でしてなかった？」

勤務表を見た上司から、よく分からないことを突っ込まれた

（残業の・・・事前の申請・・・？？）

異国の言葉のように聞こえる

が

言い伝えとしては知っている気がする

あれはそう・・・

確かライが言っていたような・・・

あ！

記憶の糸が手繰り寄せられる・・・！！

「残業ってのは、本来業務命令があって初めて実施できるものであって、本来は勝手に残業したらあかんねん」

これのことか！

脳内検索結果、わずか一件

されど一件

「あー・・・なんか風のうわさでは聞いたことあります・・・事前の申請・・・やったことないですけど・・・」


（まじかよ）

そもそも

俺が前いた会社は、昼休みや昼飯なんてものは運が良くないと取れなかった

運良く取れたとしても、客が店にやってくれば呼び戻されるし

売れてないときに至っては、昼休憩なんて取ろうものなら怒られたほどだ

そんな会社にまともな残業の概念なんてあるわけがなく・・・

当然、事前の申請、なんてものもしたことがなかった

しかし、どうやら残業するためには事前に申請しないといけないらしい

それを上司が許可をして初めて残業ができるんだとか

ライから聞いた言い伝えの通りである

とはいえ・・・

前の会社での経験、まじで役に立たねえなー

嘘とハッタリと誤魔化しと

偽りの報告書と頑張っているフリと、人を絶対に信じないことと、問題を上に報告せずにやり過ごすスキルなら、それなりにあるんだが・・・

どれも使えねえ！！

俺が死にながら生きてきたあの４年間は一体何だったのか

誰か意味を授けてくれ・・・

つづく

１９歳高卒フリーター女

このブログで度々登場する人物である

そして最大の特徴の一つといえば

元風俗嬢である！ということ

しかし

実はこれは俺の推測である

根拠としては

京都駅のアバンティの近くで

２時間２万の特に専門的なノウハウもない女がやるマッサージなど

風俗以外の何物でもないだろう、というものだ

とまああくまで女の話す内容を下に調査し、俺が出した仮定であり

本人から直接聞いた訳ではないのだが

女としては俺にバレていない体だったらしい

俺がマッサージしてくれというと

「実は、言ってなかったことがあるの・・・」

というような感じで

メンズエステで働いていたことを語りだした

だが

そんなことはとっくのとうに知っている

女としては一大告白だったであろう内容をテキトーに流す俺

さあ！

これで俺に後顧の憂いなくマッサージとやらが施せるだろう！？

さあさあ！

世界よ！！

いよいよもって俺のターンだぜ

いつまでも・・・

この俺を手玉にとれると思うなよ・・・世界・・・！！

俺は急速に力が沸き上がるのを感じた

しかし

どうやら俺は

今回も世界には勝てなかったようだ

女の謎の言い訳の猛攻が始まる

やれ

マッサージに使うオイルがないだの

下手くそだからがっかりさせてしまうだの

よく分からないことを言い出したのだ

嗚呼・・・

知っているぜこの感じ



嫌だという気持ちにテキトーな理由を付けて、無理矢理合理化させようとしているのだ

前の仕事でも、車を見に来たチンパンどもがよくやっていた

こういう理由があるから車を買えない、のではなく

車を買いたくないから、そこに合うような理由を当てはめるのだ

だから、その「できない理由」とやらをどれだけ潰しても、成約には至らず・・・

俺の時間と労力が失われ

怒りだけを蓄積させる・・・

それと同じ

オイルは俺が用意するとか

できない理由をどれだけ潰そうが・・・

ごちゃごちゃいってやろうとしない・・・

大学出でもないくせに・・・！！

一端に合理化なんかするんじゃねえよ！！！

フリーターで元風俗嬢で不倫していた・・・

お前が！

俺に！！

合理を！！！

垂れるな！！！！

つうことで

俺の作戦は失敗した

マッサージからの土下座してファックという作戦だったが

そもそものマッサージさえ到達できなかった

どうして・・・

どうして俺はこうも・・・

世界から愛されないのだ・・・

どうして・・・

・・・

つづく