公開結社豪泣部

「先ほどお伺いしたご予算内に収まるように値引き調整してみました。

これなら今、買ってくれますよね？？

え？ちょっと考えたいとはどういうことですか？？

何が引っ掛かっているのですか？

何が原因で今、この場で決められないのかもっと具体的に教えてください！」

客を追い詰める

確たる理由もないのに、何となくビビって、車一つ買えないこのフニャチン野郎を

買う覚悟もない癖に値引きの話なんかするからこうなるんだよ

そう

俺の目の前にいるこいつは

何となく、「買わない」、という選択肢を取っている

その証拠に、俺が今、この場で車を買うことを決めない理由を問い留めてもてきとーなことをいってはぐらかそうとしている

俺はそれを許さない

こいつが買わない理由を徹敵的に具体化させてやる

買う覚悟もないくせに

値引きの話を始めたことを後悔させてやる

この値引き猿・・・！！

最早車を買うとか買わないとか

どうでもいい

俺はただ

この目の前にいるフニャチン野郎が憎い

だから尋問する

この頭の悪そうなフニャチン野郎が、買わない理由を・・・！！

「ローンの金利６・８パーセントって高すぎじゃないですか？そんなの払うの嫌です」

値引き猿が意味不明な主張を始める

しかし、俺は追求の手を緩めない

「ではローンの金利分を相殺できるだけの値引きをします。そうしたら今、買ってくれますよね？」

フニャチン野郎はそれでも買うことを渋る

「いやあ、それでも今日はちょっと決められないですねえ・・・。ほ、ほら、子供たちももう帰りたがっているし！」

まーた意味不明なことを言い出した

日本語でおｋって一体何度俺に思わせれば気が済むんだこいつ

取り合えず、日本語をしゃべってもらおう

「ですから、今日、今この瞬間に決められない理由をもっと具体的に教えてください。こちらとしてもできる限りの提案をしたいので」

さあさあ

意味の分かる言葉を発してくれると良いんだが

そう思っていると

まーた意味不明なことを言い出す

「そんなんいうていじめんといて下さいよー・・・。」

だめだこいつ

さっきから言っている内容がことごとく意味不明だ

もう帰ってもらおう

こいつの相手をしたって時間の無駄だ

「では、つまるところ、理屈ではなく 「感覚」で買いたくないんですね。分かりました。また機会がありましたらご来店ください」

俺はそう言ってフニャチン野郎を開放した

嗚呼

しかし、いじめんといてくださいってなんだよ

俺が悪いのかよ

実に不愉快なフニャチン野郎だ

つうことでつづく

決算期のせいだろうか

値引き猿がいつにも増して多い

値引き猿・・・

俺が勝手にそう呼んでいるだけだが、値引き値引きと不愉快な鳴き声を発する、「客」と呼ばれる「サル」である

全くもってどいつもこいつも、まあサルなのだから仕方がないのだが

それでも店にやってくるあれを人間として扱わなければならない

しかし・・・

今日もあった

「ほんで、この見積もりからなんぼ引いてくれるん？」

この実に頭の悪いやり取りをするタイプ！

何がしたい？

値段の話をするのに、その会話の主導権をこっちに丸投げするような切り出し方をして

話をどう持っていきたい？？

俺が２００万を１９５万にするといったら

その言い値で買うのかよ？

何を言ってるのかさっぱり分からない

「頼むから日本語で話してくれ？何言ってんのかさっぱりわかんないからさ？」

喉まで出かかるその言葉を必死に飲み込みながら

値引き猿の中でも実に頭の悪いやり取りをするタイプのサルの相手をする

そもそも、買う覚悟もないくせに、値引きの話などするべきではない

時間の無駄でしかない

このように、「人間」であれば、１秒くらい考えただけで気付けるようなことにあの類人猿どもは気が付かない

ちなみに・・・

値引き交渉をしたいのなら、「この額なら買うが、そうしてくれるだろうか」というやり方にすべきだ

例えば・・・

２００万の車があったとして

１５０万にしてくれたら買うと主張する

そうすると、流石に５０万は負けられない、だから間を取って１７５くらいで手を打ってもらえませんか？という話の流れになる

商談の主導権を客が握り、営業のやつがそれに応える、という構図だ

値引き猿の中でも、まだ人間に近い部類のサルであれば、こういう知恵もあるのだが・・・

そういうやつは如何せん少ない

嗚呼

哀しいなあ

つうことでつづく

「今忙しいねん！ボケ！！」

整備士のおっさんにどやされる

嗚呼

やっぱりな

予約しないで、いきなり店にやってきて

車の調子が悪いから見てくれ、といって来る客が俺は

それはそれはもう死ぬほど嫌いである

何故なら・・・

さっきのようになるから

「飛び込みでお客さん、来たんですけど、今、車って見てもらえそうですか？」

びくびくしながら整備士のおっさんに聞いてみる

すると・・・

 「今忙しいねん！ボケ！！」

このありさまである

全くもって悲劇である

何故俺がどやされなくてはいけないのか

しかし、だからと言って、適当な言い訳を使って、客を追い返してしまうと

それが原因でクレームになったりすることがある

俺はまだそんな経験はないが

予約もしないで、車を見て欲しいがために、やってきて

今、作業場がいっぱいばから、と店から断られたことに腹を立て、クレームになったという事例があったとか

故に

どやされるリスクを避けるため、俺としてはフラっとやってきた客なんて全数断りたいのだが

断ったら断ったでもっとややこしいことになる

このジレンマ

どうしたものか

だから

いきなり店にやってきて、俺にクソご用件を申し付けてくださるクソお客様が死ぬほど嫌い

つうことでつづく

俺はお客様は類人猿だと思っているよ☆

「Ｍくん、今日空いてるやんな？夜はみんなで飲みに行くで！」

火曜日の朝

俺は同じ営業所の同期の女からそう言われ

絶句していた

え

明日、朝９時４５分からまたも淀屋橋で面接あるんだが

今夜、そのための準備をしようと思っていたのに

というか、転職用のスーツ、実家に置いてきたんだが！？

今日の夜、仕事終わったら実家に帰って

翌朝、実家から転職で使える灰色のスーツ来て、面接会場に出撃しようと思っていたのに！？

今日の夜飲みに行ったら、どうせ深夜１２時くらいの解散になる

そうなると必然的に実家に戻るのは無理

おいおいおいおい

どうしよう・・・

きっと俺はそのとき、困った顔をしていたのだろう

同期の女が反応する

「もしかして何か予定あった？？無いやんな！来れるやんな！」

俺が来るのはどうやら既に確定しているらしい

俺は観念した

「・・・ああ、うん。行けるよ。うん、行ける。何もないからね・・・」

そうして時間は過ぎ・・・

夜９時

伊丹の駅前にある飲み屋で

飲み会が始まってしまった

嗚呼

帰りてえ

こんなところで非生産的な飲み会なんてしてる場合じゃねえよ

まじで

明日受けるところ、結構行きたいところだったんだが

面接の準備もできないし

スーツもリクスーしかねえ

終わる要素しかない

やべえよまじで・・・

つうことで

後半へつづく（？！）

それはおおよそ

「面接」と呼べるようなものではなかった

というのも・・・

「偽装問題で揺らぐ、日本の建築業界を立て直したい！私はね、そういう強い思いがあるんですよ。というのもね・・・」

大阪、クソ淀屋橋にあるビルの一室に構える、建築コンサルタント的な会社にて

俺は面接を受けているのだが

さっきからこのように会長さまがずっとずっと会社創立の経緯とか

熱い思い的なものを語っているのだ

やばい

やばいよこれ

面接じゃねえ

これじゃあまるで・・・

校長先生のお話！！

俺のことをそれっぽい質問であれこれを探らなくて良いのだろうか

さっきからこの会長とかいう翁、ずっと自分と自分の会社のことばかり話しているが

つうことでうさんくさい会社だったので、面接の結果を待たずして辞退

なんだか時間の無駄だった気がするな

もうちょっと練習で受けるにしても、まともな会社にしようかな・・・

つづく