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『おぽぽおじさんのブラジル滞在記』 第一章
本日は私、フレディが代筆を務めさせて頂きます。
経験不足の為、多少読みにくい所も多々あるかと思いますが夜露死苦お願いしま
す。
『おぽぽおじさんのブラジル滞在記』
第一章
照り付ける陽射しの中、私は漸く浜辺へと這い上がった。
全裸で。
一週間飲まず食わずで太平洋を泳ぎ続け、パナマ運河を越え、今漸くブラジルの
地に足を踏み入れた。
疲れで少し霞む視界の中、流木に腰掛け、予め濡れぬ樣ジップロックに入れてお
いた煙草を取り出し、一週間ぶりに火を点けた。
「ワシも老いたか・・・」そんな定型句の様な台詞を吐きながら煙草をふかす。
久々の煙草の美味さに酔いしれながら青く澄んだ大西洋を見つめる。
雲一つ無い。
取り敢えず服だけは着た。
1本目を吸い終わらぬ内に、煙草の青い煙の向こうから人影が近付いて来た。
すかさず私は怖がられぬ樣、笑みを浮かべながらサンパウロまでの道のりを尋ね
ようとした。
しかしその人は引き攣った顔で後退りしながらやがて走り去った。
怖かったらしい。
仕方なく私は陸に向かって歩き始めた。
丘を越えると駅があり、駅員にどの線路がサンパウロに通じているのか尋ねた。
駅員はその満面に恐怖を湛え、一本の線路を指差し、「特急ならば8時間です」
と答えた。
当然金など無い。
私はやおらその場に伏せると、畆伏前進を始めた。
視界の隅を目にも留まらぬ速さで飛び去る景色。
マッハに近い速度で私は這って行く。
上官に鍛えられた四肢がまた役に立つとは・・・。
小一時間もするとサンパウロを危うく通過しそうになった。
一際目立つキリスト像。
私は120年ぶりにサンパウロの土を踏んだ。
ブラジル移民としてこの地に渡り、近郊の畑でコーヒー豆を育て、カフェイン中
毒で危うく死にそうになったのがまるで昨日の樣だ。
今も変わらぬ街の匂いに胸を震わせ、私は街に繰り出した。
日もそろそろ傾き、辺りは朱く染まり始めた。
ネオン煌めく街の中に私は一軒の酒場を見つけた。
迷わず中に入り、店の主人に交渉した。
「この中の全員とショットガンで勝ったら飲み代をまけろ」
主人は医者を呼ぼうとしたが制止した。
私は気が触れた訳では無い。
主人は負けたら全員に奢るという条件付きで快諾した。
次々と運ばれるテキーラ。それを片っ端から飲み干し、ついに私は晴れて飲み放
題の身となった。
しかし一つ問題があった。
もう飲めない。
気持ち程度のビールを一杯飲み干し、それを最後に私は店を出た。
酩酊状態で私は広場のベンチに横たわり、そこで一夜を過ごす事に決めた。
続く
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