カウンター
訪問販売
営業を長くやっていたせいか・・・
モノを売っている、売ろうとしている人に割と同情的になってしまうようになった
基本的に・・・
売ろうとしているモノは売れない
トンチのような話だが・・・
勝手に売れるようなものであれば別に営業活動をしなくても良い
売れないものだからこそ「売る」必要がある
このようなある種の矛盾の上にあるのが営業である
そんなこんなで営業をしている人に同情的な俺であるが
こんな気持ちもその内薄れて、最終的には失ってしまうだろうか
なんて思いながら過ごしていたある日・・・(というか昨日だが)
俺と有志のメンバーで借りている、高槻の某さびれたシャッター街の一角にある、ミニ四駆コース敷設場に・・・
(コンコン)と誰かがノックをしてきた
(え!?)
ここは有志のメンバーで借りている場所のため、客人など来ない
故にノックされることもない
(誰が来た・・・!?)
ビビりながら、ドアの方を見てみると
「よいしょー!」
俺がまだ「どうぞ」とか何も言ってないのに
ドアを勝手に開けて女が入って来ていた
※ちなみにシャッターの建付けが悪いのと、シャッター街にあるため店と勘違いした一般人が勝手に入ってこないように、シャッターは半開きにしてある
その半開きシャッターをしゃがみながら潜り抜けた際の効果音が「よいしょー」である※
(よいしょー!じゃねえよ・・・)
なんだこいつ
普通、ノックして間髪入れずに勝手に入ったりしない
ましてやこのシャッターは半開きであり、人が入って来づらいようにしている
度胸がある・・・というより、ちょっとズレている
俺はうっすら恐怖を感じた
「あ・・・どうも・・・」
かなり警戒しながら俺は応対した
「お仕事中すみませんねー!」
全く謝意を感じないすみません、である
女をよく見てみる
マスクをしているのでよく分からないが・・・30代半ばくらいだろうか
かつてはビッチでした!というような風貌
いや、今もビッチかも知れないが
そして何よりも気になったのは・・・
この煉獄杏寿郎の眼!!
目が据わっている
(もしや、元風俗嬢なのか・・・??)
かなりスレた感じがする
(ズレている上にスレているのか・・・)
こいつはかなり危険である
俺は身構えた
この謎の女と会敵し、俺が身構えるまでの間
僅か0.1秒!(多分)
長い一瞬の末、再び女がしゃべりだした
「スイーツの訪問販売をしてまして・・・チーズケーキなんですが、お一ついかがですか?」
(!?)
スイーツの・・・訪問販売・・・?
(そんなものがこの世にあったのか)
数年前に怪死した紀州のドンファンはコンドームの訪問販売をしていたらしいが(自伝に書いてあった)
スイーツまであんのかよ
コンドームにしろ、スイーツにしろ、訪問販売で売れるようなものに見えないが・・・
「カマンベール王子様っていうんですよ!」
俺が呆気に取られている内に女はどんどん話す
保冷バッグのようなカバンの中から、羊羹くらいの大きさの箱を取り出した
今日はここは俺一人しかいないのに、このサイズのチーズケーキなど食えるはずもない
が
きっとこの女は・・・
風俗から足を洗って昼職に就こうとしたが、マトモな職歴もないため流れに流され・・・・
この謎の仕事をやる羽目になっているのだろう
普通に考えて、いきなりチーズケーキを売り付けようとしても売れないだろう
バイトなのか正社員なのかは知らないが・・・
こんな仕事でも、こいつの昼職キャリアの足しになるのなら・・・
買ってやろうかな
どうにもやはり
営業しているやつに肩入れしてしまう
つうことで買うことにした
「ありがとうございます!一つ1300円です!」
え
1300円?!
(高!?)
こんな昼飯にもならねえようなもんが・・・
普段の昼飯の倍くらいの値段するじゃねえか
「今なら期間限定でサツマイモ味もあるので、こっちも買ってください!!」
すかさず畳みかけてくる女
しかし、流石に2コは買えない
しかもサツマイモ味がうまいとも思えない
故にテキトーにそっちは断り・・・
「お仕事頑張ってくださいね!!」
そう言って女は去っていった
(仕事・・・?)
さっきも言っていたが・・・
何のことだ??
・・・
あ
シャッター街の寂びれた元ブティックをそのままコース敷設場として利用しているから、やつはここが店とか会社なのかと思っているのか
しかし
これで味を占められてしょっちゅう来るようになったら・・・それはそれでイヤだな・・・
選択を誤ったかも知れない
つうことで余計な心配事とチーズケーキを無駄に手に入れたのであった
つづく
モノを売っている、売ろうとしている人に割と同情的になってしまうようになった
基本的に・・・
売ろうとしているモノは売れない
トンチのような話だが・・・
勝手に売れるようなものであれば別に営業活動をしなくても良い
売れないものだからこそ「売る」必要がある
このようなある種の矛盾の上にあるのが営業である
そんなこんなで営業をしている人に同情的な俺であるが
こんな気持ちもその内薄れて、最終的には失ってしまうだろうか
なんて思いながら過ごしていたある日・・・(というか昨日だが)
俺と有志のメンバーで借りている、高槻の某さびれたシャッター街の一角にある、ミニ四駆コース敷設場に・・・
(コンコン)と誰かがノックをしてきた
(え!?)
ここは有志のメンバーで借りている場所のため、客人など来ない
故にノックされることもない
(誰が来た・・・!?)
ビビりながら、ドアの方を見てみると
「よいしょー!」
俺がまだ「どうぞ」とか何も言ってないのに
ドアを勝手に開けて女が入って来ていた
※ちなみにシャッターの建付けが悪いのと、シャッター街にあるため店と勘違いした一般人が勝手に入ってこないように、シャッターは半開きにしてある
その半開きシャッターをしゃがみながら潜り抜けた際の効果音が「よいしょー」である※
(よいしょー!じゃねえよ・・・)
なんだこいつ
普通、ノックして間髪入れずに勝手に入ったりしない
ましてやこのシャッターは半開きであり、人が入って来づらいようにしている
度胸がある・・・というより、ちょっとズレている
俺はうっすら恐怖を感じた
「あ・・・どうも・・・」
かなり警戒しながら俺は応対した
「お仕事中すみませんねー!」
全く謝意を感じないすみません、である
女をよく見てみる
マスクをしているのでよく分からないが・・・30代半ばくらいだろうか
かつてはビッチでした!というような風貌
いや、今もビッチかも知れないが
そして何よりも気になったのは・・・
この煉獄杏寿郎の眼!!
目が据わっている
(もしや、元風俗嬢なのか・・・??)
かなりスレた感じがする
(ズレている上にスレているのか・・・)
こいつはかなり危険である
俺は身構えた
この謎の女と会敵し、俺が身構えるまでの間
僅か0.1秒!(多分)
長い一瞬の末、再び女がしゃべりだした
「スイーツの訪問販売をしてまして・・・チーズケーキなんですが、お一ついかがですか?」
(!?)
スイーツの・・・訪問販売・・・?
(そんなものがこの世にあったのか)
数年前に怪死した紀州のドンファンはコンドームの訪問販売をしていたらしいが(自伝に書いてあった)
スイーツまであんのかよ
コンドームにしろ、スイーツにしろ、訪問販売で売れるようなものに見えないが・・・
「カマンベール王子様っていうんですよ!」

俺が呆気に取られている内に女はどんどん話す
保冷バッグのようなカバンの中から、羊羹くらいの大きさの箱を取り出した
今日はここは俺一人しかいないのに、このサイズのチーズケーキなど食えるはずもない
が
きっとこの女は・・・
風俗から足を洗って昼職に就こうとしたが、マトモな職歴もないため流れに流され・・・・
この謎の仕事をやる羽目になっているのだろう
普通に考えて、いきなりチーズケーキを売り付けようとしても売れないだろう
バイトなのか正社員なのかは知らないが・・・
こんな仕事でも、こいつの昼職キャリアの足しになるのなら・・・
買ってやろうかな
どうにもやはり
営業しているやつに肩入れしてしまう
つうことで買うことにした
「ありがとうございます!一つ1300円です!」
え
1300円?!
(高!?)
こんな昼飯にもならねえようなもんが・・・
普段の昼飯の倍くらいの値段するじゃねえか
「今なら期間限定でサツマイモ味もあるので、こっちも買ってください!!」
すかさず畳みかけてくる女
しかし、流石に2コは買えない
しかもサツマイモ味がうまいとも思えない
故にテキトーにそっちは断り・・・
「お仕事頑張ってくださいね!!」
そう言って女は去っていった
(仕事・・・?)
さっきも言っていたが・・・
何のことだ??
・・・
あ
シャッター街の寂びれた元ブティックをそのままコース敷設場として利用しているから、やつはここが店とか会社なのかと思っているのか
しかし
これで味を占められてしょっちゅう来るようになったら・・・それはそれでイヤだな・・・
選択を誤ったかも知れない
つうことで余計な心配事とチーズケーキを無駄に手に入れたのであった
つづく
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