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40歳の童貞男 二話
「あ、彼は見学の人だよ!ブランクはあるけど、経験者なんだよね。名前はえっと・・・なんて言ったかな・・・?」
師範から遂に明かされた童貞男の正体
案の定、見学の人であった
新垣さん(仮名)である
道着なんかに年季が入っている割に、腕前が大したこと無かったのはブランクがあるせいか
しかし
「新垣さん、彼は大日本居合道連盟の出身なんだよね」
(!?)
思わず耳を疑う俺
基本的に居合というものは、明治時代より由緒正しき「全日本剣道連盟(全剣連)」が取り仕切っている
のだが
昭和50年頃に何があったのかはあまり知らないが、全剣連の対抗組織として「大日本居合道連盟(大居連)」が誕生
以来、反目しあっている(らしい)
大居連が全剣連に喧嘩を売ったりした話も耳にしたことはあるが・・・
とはいえ、全剣連のトップには元トヨタ自動車の会長等、財界の大物が代々就任しており、名実ともに全剣連の勢力の方が上!!
そんな曰くつきの組織から・・・
全剣連所属の道場である、ウチに・・・?!
業界の事情を知る者であれば、驚愕すべきことである
(さっき構えから何まで違和感まみれだったのは、こいつが大居連の出身だったからか!!)
ようやく腑に落ちた
が、それも束の間
またも俺は衝撃の海に飲まれるのである
「というわけで、M君?今日、新垣さんに教えてあげてくれるかな」
ま・・・
まじで・・・!?
この40歳の童貞男・・・
俺が今日、相手するの!?
・・・
つうことで俺は童貞男に教えることになった
しかし、童貞男は居合のクセも強い
例えるならば・・・
るろうに剣心を読み過ぎた中二病のようだ
無駄にキザったらしい構えや動きを大真面目な顔をしてやっているのだ
(イメージ図)
(ここまで来ると、最早ある種の完成形だな・・・)
霊圧さえ感じる
俺がヘタに教えたりして良いのだろうか??
童貞男さんには、このまま我流を貫いてもらった方が良いのでは・・・
しかし
「新垣さん!抜刀のときの予備動作が大きすぎるよ!!」
霊圧に呑まれ、固まってしまっている俺を見兼ねたのか・・・
師範がゴリゴリ童貞男を修正していた
(あ、やっぱり普通に教えて良いんだ・・・)
当たり前のことをようやっと認識
俺も童貞男へのインストラクションを開始した
「あ、違います・・・こうじゃなくて・・・こうですね」
俺の知っている教え方とは、兎に角「正解の型」を見せることである
それでもできなかったら、解説を加えたりして理解を促す
童貞男は大居連のクセがなかなか抜けず、間違えまくっていた
「す、すみません・・・ひひひ」
俺が指摘する度にヘコヘコしながら半笑いになる
これがどうも苦手である
別に謝らなくて良いし、半笑いになる必要もない
俺が何か言ったら、理解しようがしまいが
「はい」
これだけで良い
そも、ミスる度に謝ってたら、一日何回謝るハメになる??
嗚呼
仮にこいつが見学だけでなく、入門してきたら毎回俺が教える感じになるんだよな・・・
(嫌だ・・・)
そんなこんなで長い一時間が終わり・・・
今日の稽古は終了となった
そうして帰宅後・・・
着信音に気付き、携帯を見てみると・・・
道場のグループラインに通知が入っていた
(ま、まさかな・・・)
童貞男が入門したのだろうか?!
いくらなんでも早すぎないか??
震える手でラインを開く
すると・・・
「ガッキ―さんが招待されました」
???
ガッキ―・・・??
って誰??
いや、ガッキー・・・垣・・・
新垣さん(仮名)か!!!
え
ちょっと待ってくれ
40にもなってラインの登録名、ガッキ―なの???
普通その歳なら、普通に本名じゃね??
(痛い・・・)
やはりというかさすがというべきか
40歳の童貞男らしかった
つうことで・・・ガッキ―さんが入門し・・・
俺の苦悩の日々に拍車がかかるのであった
つづく
師範から遂に明かされた童貞男の正体
案の定、見学の人であった
新垣さん(仮名)である
道着なんかに年季が入っている割に、腕前が大したこと無かったのはブランクがあるせいか
しかし
「新垣さん、彼は大日本居合道連盟の出身なんだよね」
(!?)
思わず耳を疑う俺
基本的に居合というものは、明治時代より由緒正しき「全日本剣道連盟(全剣連)」が取り仕切っている
のだが
昭和50年頃に何があったのかはあまり知らないが、全剣連の対抗組織として「大日本居合道連盟(大居連)」が誕生
以来、反目しあっている(らしい)
大居連が全剣連に喧嘩を売ったりした話も耳にしたことはあるが・・・
とはいえ、全剣連のトップには元トヨタ自動車の会長等、財界の大物が代々就任しており、名実ともに全剣連の勢力の方が上!!
そんな曰くつきの組織から・・・
全剣連所属の道場である、ウチに・・・?!
業界の事情を知る者であれば、驚愕すべきことである
(さっき構えから何まで違和感まみれだったのは、こいつが大居連の出身だったからか!!)
ようやく腑に落ちた
が、それも束の間
またも俺は衝撃の海に飲まれるのである
「というわけで、M君?今日、新垣さんに教えてあげてくれるかな」
ま・・・
まじで・・・!?
この40歳の童貞男・・・
俺が今日、相手するの!?
・・・
つうことで俺は童貞男に教えることになった
しかし、童貞男は居合のクセも強い
例えるならば・・・
るろうに剣心を読み過ぎた中二病のようだ
無駄にキザったらしい構えや動きを大真面目な顔をしてやっているのだ
(イメージ図)
(ここまで来ると、最早ある種の完成形だな・・・)
霊圧さえ感じる
俺がヘタに教えたりして良いのだろうか??
童貞男さんには、このまま我流を貫いてもらった方が良いのでは・・・
しかし
「新垣さん!抜刀のときの予備動作が大きすぎるよ!!」
霊圧に呑まれ、固まってしまっている俺を見兼ねたのか・・・
師範がゴリゴリ童貞男を修正していた
(あ、やっぱり普通に教えて良いんだ・・・)
当たり前のことをようやっと認識
俺も童貞男へのインストラクションを開始した
「あ、違います・・・こうじゃなくて・・・こうですね」
俺の知っている教え方とは、兎に角「正解の型」を見せることである
それでもできなかったら、解説を加えたりして理解を促す
童貞男は大居連のクセがなかなか抜けず、間違えまくっていた
「す、すみません・・・ひひひ」
俺が指摘する度にヘコヘコしながら半笑いになる
これがどうも苦手である
別に謝らなくて良いし、半笑いになる必要もない
俺が何か言ったら、理解しようがしまいが
「はい」
これだけで良い
そも、ミスる度に謝ってたら、一日何回謝るハメになる??
嗚呼
仮にこいつが見学だけでなく、入門してきたら毎回俺が教える感じになるんだよな・・・
(嫌だ・・・)
そんなこんなで長い一時間が終わり・・・
今日の稽古は終了となった
そうして帰宅後・・・
着信音に気付き、携帯を見てみると・・・
道場のグループラインに通知が入っていた
(ま、まさかな・・・)
童貞男が入門したのだろうか?!
いくらなんでも早すぎないか??
震える手でラインを開く
すると・・・
「ガッキ―さんが招待されました」
???
ガッキ―・・・??
って誰??
いや、ガッキー・・・垣・・・
新垣さん(仮名)か!!!
え
ちょっと待ってくれ
40にもなってラインの登録名、ガッキ―なの???
普通その歳なら、普通に本名じゃね??
(痛い・・・)
やはりというかさすがというべきか
40歳の童貞男らしかった
つうことで・・・ガッキ―さんが入門し・・・
俺の苦悩の日々に拍車がかかるのであった
つづく
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