ワイのまあまあ長い一日
今日は・・・
何を隠そう、三者面談の日である
取締役とババア(課長)、そして俺
昨日突如としてランチミーティングたる名目で誘われ・・・
嫌な予感しかしない!!
心労のあまり目まいがする始末
地面が左側に大きく傾いているのだろうか?
と思うほど、気を抜いていると体が左側にすぅーっと傾き、壁に寄りかからないといけなくなってしまう
ちなみにストレスによる目まいは前の会社にいたときも経験しているため・・・
対処法も心得ている
こんなときはそう
気合だ
目まいなんてものは視界がぐらぐらするように感じるだけであり・・・
つまりは気のせいである
であれば気合でカバーすることができる
俺はいつにも増して足に力を込め・・・
無理矢理耐え忍ぶ
そしてそして・・・
いよいよ来てしまった
ランチの時間・・・!
「じゃ、すでにお店で取締役が待っているみたいだから、行こうか?」
そうババア(課長)に言われ、立ち上がる俺
だが
ここで思わぬ言葉をババアから受けることになる
「財布持った?」
え・・・??
普通
普っ通に考えて
取締役にランチに誘われたらさ?
奢りだろそんなもん・・・!!
誰が!!
どーっ考えても
奢りやろ??????
むしろここは
「財布はもってこなくていいよ」
だろ???
(何言ってんだこいつ・・・)
と思うも、財布は普通にポケットの中に入っていたので、ありますと答え、昼休憩には5分ほど早かったが・・・
ババアとともに店に向かった
取締役が指定した店はお高いフレンチの店!
とかではなく・・・
普通の居酒屋であった
昼は定食屋として営業している系らしい
(なんか期待外れだな・・・)
店の表にある「日替わり定食880円!」の案内を見てそう思わずにはいわれない
そんな心境になりながら、俺とババアは店の奥へと進み・・・
個室のようなブースへと入り・・・
取締役と合流した
「あ、どうもお久しぶりです・・・」
オンラインでは毎週のように面談しているが
リアルでは久しぶりである
とりあえず、如何なるパワハラが炸裂しても良いようにボイスレコーダーは既にオンにしてある
(さあさあさあ・・・)
あとはもう
どうとでもなれ
緊張を通り越し、むしろリラックスする俺
だが
そんな俺の覚悟とは裏腹に・・・
「最近、居合の方はどうや?まだ続けてるのか?」
取締役から開口一番に飛び出したのは
クソが付くほどの・・・
世間話!!
「あ、えっとそうですね・・・今でも続けさせていただいております・・・。
将来、孤独な老人になってしまわないためにも、居合を極めておきたいと思っています。
そうすれば、いずれは門弟なんかも取れますしね・・・ははは・・・」
肩透かし感を覚えながらも、鉄板ネタで返す俺
「孤独な老人になりたくない」系のネタは大体受けが良い
実際・・・
「はは!そうかそうか!確かに、お前は孤独な老人になりそうやもんなあ!今の生き方を貫いて行った方がええわ!!」
取締役は爆笑!
だが
(今、俺めっちゃディスられた・・・!?)
ま、まあいい
笑ってもらうことは大事だ
何としてでもこの場は和ませたい・・・!!
「あ、ありがとうございます・・・。私としては、江戸幕府が復活でもしてくれれば一番嬉しいんですがね・・・!」
これは今日のために考えてきたジョーク!
勿論・・・
こうかはばつぐん!!
「ぶっはっは!!一周回って江戸幕府復活!みたいな??それはタイムスリップするより難しそうやなあ!!」
またも取締役・・・
大爆笑!!
(よし・・・決まった・・・!!)
そう
俺はマズイ状況をいつだってジョークで切り抜けてきた
(俺は・・・俺こそは・・・ジョーカーだー!!!)
きっと
きっとババアも笑っているはず・・・
そう思い、俺の隣に座るババアを見やる
が・・・
「・・・」
クスリともしない・・・!
圧倒的・・・真顔・・・!!
(やっぱりこのババア、無理だ・・・)
このババアとは多分、遺伝子レベルで相容れない
その後・・・
取締役が家族で外食する際は、かなりケチになる方で、子供がデザートやらソフトドリンクやらを注文するのを毎回阻止しようとする・・・等
世間話が炸裂しまくっていた
(嗚呼、このまま何事もなく終わりそうだ・・・)
と
思っていた矢先・・・
俺は衝撃の事実を耳にする
それはババアから発せられた
「あー、私もこの間、彼氏と似たようなことで喧嘩したなー」
え?
彼氏??
ババアお前・・・
実は・・・
独身だったの!?!?
息子の話とかたまにしていたから、てっきり結婚しているものと思っていたが
お前・・・
(独身か!!!!!)
予想外の事実に内心かなり驚く俺
だが
だが!!!!
(圧倒的・・・圧ッ倒的・・・納得感・・・!!!!!!!)
腑に落ちる
腑に落ちまくる!!!
そうだよな
そうだよな!!
俺がババアからいつも感じる、あの「余裕のなさ」
性別を問わず、独身中年の人間が持つ特有の余裕のなさ
それをかねてからヒシヒシと感じていただけに・・・
死ぬほど納得!!
そしてそして・・・
俺はというものの
この余裕のない独身中年系の種族と極めて相性が悪い
前の会社でもそうだった
独身中年男性の整備士にいじめられ・・・
(最終的には本社の人事部に相談して、会社を揺るがす大事件になったのはまた別の話)
事務のシングルマザーのおばちゃんにはいつも冷たく接しられ・・・
独身中年女性の客という客からは嫌われ、クレームを付けられまくる始末
あいつらは常人は気にもかけないような些細な点にいちいち苛立ち・・・
そして自分が大宇宙の常識を司る神であるかのような振舞い方で・・・
俺を裁こうとするのだ
だからそう・・・
俺がこのババアと取り合わせが悪いのは自明の理!!!
それに・・・
ババアは確か46歳
ただでさえ余裕のない独身中年女性という属性に
更年期というポイントも重なっている
恐らく、この世で最も余裕のない人種であろう
更に言えば・・・
俺に責任感がない、とか責任を持ってやり遂げろ!とか言いまくってくるのも納得のいく話
今までは平社員の俺に責任も責任感もクソもあるか!と思っていたが・・・
ババア・・・
お前はシングルマザー
つまり、「男の責任」というものから最も見放された存在
故に本能的に責任責任と言ってしまうのだろう
(俺は今、全てを理解したぞ・・・)
これは悟りと言っても過言ではない
俺は悟りの境地による慈しみの心と目を以て・・・
人知れず、ババアに一瞥をくれてやるのであった
という感じでランチミーティングとやらはつつがなく終わり・・・
飯代は取締役のおごり・・・ではなく、経費で精算するという形で幕を閉じた
嗚呼
何ということだ
俺は生きてランチミーティングから帰れたぞ!!
こんな日には・・・
仕事終わりに風俗に行こう!!
というわけで、俺のまあまあ長い一日は続くのであった
つづけ!!
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