カウンター
世界線が見えるとき
こんなことはないだろうか?
やる前からその結果について、何故か確信が持てるとき、が
俺はたまにある
転職のときなんかもそう
最終面接を受ける前から、受かるという確信が何故か心の中にあった
尤も、最終面接三日前に女からフラれたときはどうなるかと思ったが・・・
それでも、まるで予定調和であるかのように、俺は受かったのだ
そして今日・・・
居合の昇段審査の日
10月に受けた際は落ちてしまったが・・・
何故だろうか
今回は受かる
そんな確信が水曜日くらいからあった
この感覚・・・
前の転職の時と同じだ・・・!
世界線が見える
俺はどうあがいても受かる
だが、それを何となく口にするのは憚られたため・・・
誰にも言わず、俺は審査当日を迎えた
会場は京都武徳殿
平安神宮の奥にある古くてでかい道場・・・である
準備を整えまくって来ていたし、緊張することなんてないと思っていたが
道着に着替え、会場に入ると緊張してきた
手汗がやばい
刀を握ったときに滑ったりしないだろうか・・・?!
ただ、この手汗を道着なんかで拭いたりして汚れるのも嫌である
仕方がないので、俺はそのまま行くことにした
今回、四段を受けるのは7人
初段~二段くらいまでは何十人も受けるが
三段以降になるとめっきり数が減る
俺の受験番号は2番
一番最初の組の中に入っていた
「〇〇〇!!!」
係員の号令が響く!
が
声がでかすぎて、逆に何て言っているのか分からない
(今のは開始?それとも敬礼??)
いきなり激しく困惑する俺
他の人の様子をそれとなーく見てみると・・・
どうやら、開始と言っていたようだ
みんな思い思いに始めている
露骨に他の人の動きを見ていると、それはそれで減点対象となるのだが・・・
大丈夫だろうか??
今の俺、バレた?!
曇りなき心で臨むはずが
早くも雑念で覆いつくされる
ええい!
もう知らん!!!
考えても詮無き事
一周回って無心になり、俺も始めることにした
しかし!!
(アレ・・・右手と左手、どっちを先に出すんだっけ・・・?)
最初の礼法のときの手の出し方・・・
ド忘れしてしまった!
普段何気なくやっていることほど
いざというときに、考えてみると分からなくなる
何となく右手が先な気がするが・・・?
さっき三段審査の様子をチラっと見たときは、みんな左手を先に出していた??
この右手と左手の順番を間違えるのは「逆手」と呼ばれ・・・
ご法度とされている
間違えた瞬間・・・終わる・・・!!
(どっちだったっけ・・・!?)
永遠にも等しいような僅かな逡巡の後・・・
俺は自分のカンを信じ、右手を先に出した
一旦、動き出してしまえばあとはもう、無心である
何も考えなくても体が動く
いや、こんなときこそ考えなくてはならない!!
いつも師範から指摘されている俺のクセとか、意識しないと絶対に出る!!
技はもう半分くらい終わっていたが
頭を切り替え、師範の言い付けを思い出しながら後半へと移る
そうして恙なく技の披露が終わり
終わりの礼法に移る
(手は右から・・・手は右から・・・)
そう言い聞かせていたが!
(スッ・・・)
気が付けば、無意識のうちに俺は左手から出していた
(まずい!!!!)
終わった・・・
終わったわ・・・
激しく動揺する
だが、あとは立ち上がって審査員の前から退場のみ
今更どうしようもない
取り敢えず、何事もなかったかのように立ち上がり・・・
一礼をして、審査員の前から立ち去った
その後、結果発表・・・
7人しかいないせいか、四段審査はすぐに終わった
「合格したのは、これだけです」
合格者が少ないのが残念、というように受験番号の書かれた紙が貼りだされる
そこには・・・
「1,2,3番」
ま・・・
まじか・・・!!
俺、2番やったよね!?
ってえことは・・・
受かってんのか!?!?
俺が礼法でミスったの、バレてなかったのか!!!
よ
良かった~~~~!!!!
つうことで俺は四段になった
居合は八段まであるから、半分極めたことになる
ちなみにだが・・・
家に帰って教本を呼んでみたところ、手は左、右の順番で動かすらしい
つまり、始まりの礼法のときに間違っていて
終わりの礼法のときに無意識にやったやつこそが合っていたのだ
まあ何はともあれ・・・
やったぜ!!
つづく
やる前からその結果について、何故か確信が持てるとき、が
俺はたまにある
転職のときなんかもそう
最終面接を受ける前から、受かるという確信が何故か心の中にあった
尤も、最終面接三日前に女からフラれたときはどうなるかと思ったが・・・
それでも、まるで予定調和であるかのように、俺は受かったのだ
そして今日・・・
居合の昇段審査の日
10月に受けた際は落ちてしまったが・・・
何故だろうか
今回は受かる
そんな確信が水曜日くらいからあった
この感覚・・・
前の転職の時と同じだ・・・!

世界線が見える
俺はどうあがいても受かる
だが、それを何となく口にするのは憚られたため・・・
誰にも言わず、俺は審査当日を迎えた
会場は京都武徳殿
平安神宮の奥にある古くてでかい道場・・・である
準備を整えまくって来ていたし、緊張することなんてないと思っていたが
道着に着替え、会場に入ると緊張してきた
手汗がやばい
刀を握ったときに滑ったりしないだろうか・・・?!
ただ、この手汗を道着なんかで拭いたりして汚れるのも嫌である
仕方がないので、俺はそのまま行くことにした
今回、四段を受けるのは7人
初段~二段くらいまでは何十人も受けるが
三段以降になるとめっきり数が減る
俺の受験番号は2番
一番最初の組の中に入っていた
「〇〇〇!!!」
係員の号令が響く!
が
声がでかすぎて、逆に何て言っているのか分からない
(今のは開始?それとも敬礼??)
いきなり激しく困惑する俺
他の人の様子をそれとなーく見てみると・・・
どうやら、開始と言っていたようだ
みんな思い思いに始めている
露骨に他の人の動きを見ていると、それはそれで減点対象となるのだが・・・
大丈夫だろうか??
今の俺、バレた?!
曇りなき心で臨むはずが
早くも雑念で覆いつくされる
ええい!
もう知らん!!!
考えても詮無き事
一周回って無心になり、俺も始めることにした
しかし!!
(アレ・・・右手と左手、どっちを先に出すんだっけ・・・?)
最初の礼法のときの手の出し方・・・
ド忘れしてしまった!
普段何気なくやっていることほど
いざというときに、考えてみると分からなくなる
何となく右手が先な気がするが・・・?
さっき三段審査の様子をチラっと見たときは、みんな左手を先に出していた??
この右手と左手の順番を間違えるのは「逆手」と呼ばれ・・・
ご法度とされている
間違えた瞬間・・・終わる・・・!!
(どっちだったっけ・・・!?)
永遠にも等しいような僅かな逡巡の後・・・
俺は自分のカンを信じ、右手を先に出した
一旦、動き出してしまえばあとはもう、無心である
何も考えなくても体が動く
いや、こんなときこそ考えなくてはならない!!
いつも師範から指摘されている俺のクセとか、意識しないと絶対に出る!!
技はもう半分くらい終わっていたが
頭を切り替え、師範の言い付けを思い出しながら後半へと移る
そうして恙なく技の披露が終わり
終わりの礼法に移る
(手は右から・・・手は右から・・・)
そう言い聞かせていたが!
(スッ・・・)
気が付けば、無意識のうちに俺は左手から出していた
(まずい!!!!)
終わった・・・
終わったわ・・・
激しく動揺する
だが、あとは立ち上がって審査員の前から退場のみ
今更どうしようもない
取り敢えず、何事もなかったかのように立ち上がり・・・
一礼をして、審査員の前から立ち去った
その後、結果発表・・・
7人しかいないせいか、四段審査はすぐに終わった
「合格したのは、これだけです」
合格者が少ないのが残念、というように受験番号の書かれた紙が貼りだされる
そこには・・・
「1,2,3番」
ま・・・
まじか・・・!!
俺、2番やったよね!?
ってえことは・・・
受かってんのか!?!?
俺が礼法でミスったの、バレてなかったのか!!!
よ
良かった~~~~!!!!
つうことで俺は四段になった
居合は八段まであるから、半分極めたことになる
ちなみにだが・・・
家に帰って教本を呼んでみたところ、手は左、右の順番で動かすらしい
つまり、始まりの礼法のときに間違っていて
終わりの礼法のときに無意識にやったやつこそが合っていたのだ
まあ何はともあれ・・・
やったぜ!!
つづく
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