カウンター
居合VS殺陣
俺は予定のない週末がとても苦手である
だが、このままでは予定のない週末がまた来てしまう!
と焦りだしたのが金曜日の夜
というわけで、予定を埋めるべくネットで調べていると・・・
ビビッと来るものを見つけた
「殺陣師が教えるチャンバラ剣術教室!」
おお!
しかも、今のところ参加予約人数はゼロ名
俺の居合とこいつの殺陣・・・
どっちが強えのか、タイマンで勝負できるじゃねえか!!
こんなの行くしかねえ!
というわけで俺は早速予約
そうして今日、会場である北山くんだりまで来ていた
公民館と公園が合体したような施設
公民館的な施設に入ると
窓口の職員みたいなやつが出迎えてくれる
訳ではなく、普通にガン無視された
勝手に入ってしまって良いのだろうか
まあ、いいか
俺が施設内に上がりこんでも職員は目もくれず・・・
そのまま会場の部屋まで入った
広い部屋の奥には、今日のインストラクターと思しき男が立っている
道具を出したりして、準備をしているためか俺には気づいていない模様
しかしこの
腰まで届く長い髪!
特殊な職業してる感満載である
「あ、どうもこんにちは・・・Mと申します。」
とりあえず挨拶してみる
長髪の男が振り返った
「あ!見学の方ですね!はじめまして!!」
普通に挨拶を返される
見た目はどうあれ
中身は普通の人らしかった
「とりあえず、着替えますよね?あっちに更衣室がありますので!」
今日は俺も道着を持ってきた
それを装備し・・・
いざ、勝負!!
なんて思いながら、案内されるがままに更衣室へと入る俺
だが
次の瞬間、俺の背後から思いもかけない言葉が投げかけられた
「ほかのメンバー、全員ちょっと遅刻気味なのでゆっくり着替えてくださいね!!」
え
他のメンバーって
え
今日って俺だけじゃないの???
計画が早くも狂い始めた俺
そういえば、「見学の方」ってさっき言ってたよな??
ということは、ここには普段から来ているレギュラーのメンバーがいるってことなの??
うわあ・・・
やりづれえ・・・
とりあえず、テンションを下げながら着替えた俺は更衣室から再び会場へと移動した
すると
「わー!!!!!!!」
雄叫びを上げながら
クソガキが猛ダッシュで乱入してきた
これがさっきの他のメンバーとやらか!
しかも一人ではない
その数なんと・・・
四人!!
クソガキ×4とその両親がやってきたのだ
広い会場の中を縦横無尽に駆け巡るクソガキ
いきなり兄弟喧嘩を始めるクソガキ
お父さんと思しきオッサンのケツにパンチをしまくるクソガキ
一気に収集が付かなくなってしまった
そして
「コォラ!!何してんの!?やめなさい~~~~!!!」
クソガキにガチ切れを噛ますオカンと思しきオバサン
(やばい・・・今すぐ帰りてえ・・・!!)
呆然とする俺
そんな俺のすぐ傍をすり抜けるようにして、猛ダッシュのクソガキはその勢いのまま部屋の外へと出て行ってしまった
何もかもがグダグダ
先生(長髪の男)とそのアシスタント、俺、クソガキ×4、そしてこの子らの両親
この謎のメンバーにて、今日のイベントは始まった
「まずは正眼に構えてください!」
木刀を渡され、そう言われる
クソガキはコントロール不能のため、俺と先ほどケツをシバかれていたオッサンとで一先ず練習となった
正眼といえば・・・つまり中段である
刀が水平になるように構える
のだが
周りを見ると水平ではなく、切っ先を少し上にするようにして構えている
それに前足に重心を乗せた前傾姿勢を取っている
マンガで見るような剣の構え
これが正眼??
早速質問する
すると
「殺陣なので、台本とかその配役の設定によって構えは異なりますが、概ねやや前傾姿勢で切っ先を相手の喉元に向けるくらいのイメージで構えますね!」
まじかよ
的な感じで基本的な動作を習った後
殺陣に入る
設定としては
俺が暗殺者で、先生(長髪の男)に斬りかかり
鍔迫り合いなんかをした後、先生が倒れて終わり
というストーリー
俺が大学時代にやっていた神伝流の奥伝、最後の技に追掛け斬りという後ろから敵に近付いて、斬る技がある
辻斬り的な技のため、道場によっては伝承することを禁じ、失われているところも多いが
居合道部ではやっていた
そのテクノロジーを活かし、俺は木刀で斬りかかる
「恨みはないが、死んでもらう・・・!」
だが
「キャーーーーー!!!」
さっきダッシュでどっかへ消え去ったクソガキが戻ってきたらしい
雄叫びを上げながら、再度乱入してきた
そして母親がまたブチ切れる
「・・・」
俺の方まで何とも言えない空気に包まれる
が
「とりあえず、もう一度やりましょうか」
先生が仕切り直し
気を取り直して再開
さあ!!死ね!!
的な気持ちで斬りかかろうとする俺
しかし
「ちょっとストップ!近すぎます!カメラの尺と合わない!」
斬りかかる寸前にストップを掛けられてしまった
え
斬るならこの間合いじゃないと、リーチに入らないんだが・・・
「もっと後ろの方から、セリフを言って近づかないと「絵」にならないですよ」
5メートルくらい離れたところから、セリフ言いながら迫ってくるようにと言われる
そんな暗殺者いる!?
とはいえ、まあ殺陣だしな・・・
つうことで尺とやらを調整した状態で再度実演
その後、折角なので動画を取りましょうということになり
さっきのシーンを動画に収めた
ところまでは良かったのだが
ようやくひとしきり暴れ、落ち着きを取り戻したクソガキどもが練習に参加
クソガキどもの実演も撮影する運びになった
しかし問題が一つ
「あの、もう一回スマホのカメラ貸してもらってもいいですか・・・??」
アシスタントから頼まれる
え
何と、この空間にいる連中
俺以外に誰も今、携帯電話を持ってきていないらしい!!
(そんなことある?!)
驚愕しながらも、とりあえずアシスタントの女に携帯を渡す
かくして、俺の端末には名も知らぬクソガキの動画が無駄に収められることになってしまった
的な感じで今日のイベントは終わり
クソガキの父親は武道オタクのようで、俺と「○○流はこんな風で・・・」みたいなことを話せたのが面白かったらしい
「また武道談義しましょうね!!」
帰り際、笑顔でそう言われた
むろん、俺はもうこんなクソガキどもの無法地帯には入り込みたくない
行くことはもうないだろう
俺の下の刀の稽古をつけてくれそうな女もいないしな・・・
つうことで、無駄に疲れた一日であった
つづく
だが、このままでは予定のない週末がまた来てしまう!
と焦りだしたのが金曜日の夜
というわけで、予定を埋めるべくネットで調べていると・・・
ビビッと来るものを見つけた

「殺陣師が教えるチャンバラ剣術教室!」
おお!
しかも、今のところ参加予約人数はゼロ名
俺の居合とこいつの殺陣・・・
どっちが強えのか、タイマンで勝負できるじゃねえか!!
こんなの行くしかねえ!
というわけで俺は早速予約
そうして今日、会場である北山くんだりまで来ていた
公民館と公園が合体したような施設
公民館的な施設に入ると
窓口の職員みたいなやつが出迎えてくれる
訳ではなく、普通にガン無視された
勝手に入ってしまって良いのだろうか
まあ、いいか
俺が施設内に上がりこんでも職員は目もくれず・・・
そのまま会場の部屋まで入った
広い部屋の奥には、今日のインストラクターと思しき男が立っている
道具を出したりして、準備をしているためか俺には気づいていない模様
しかしこの
腰まで届く長い髪!
特殊な職業してる感満載である
「あ、どうもこんにちは・・・Mと申します。」
とりあえず挨拶してみる
長髪の男が振り返った
「あ!見学の方ですね!はじめまして!!」
普通に挨拶を返される
見た目はどうあれ
中身は普通の人らしかった
「とりあえず、着替えますよね?あっちに更衣室がありますので!」
今日は俺も道着を持ってきた
それを装備し・・・
いざ、勝負!!
なんて思いながら、案内されるがままに更衣室へと入る俺
だが
次の瞬間、俺の背後から思いもかけない言葉が投げかけられた
「ほかのメンバー、全員ちょっと遅刻気味なのでゆっくり着替えてくださいね!!」
え
他のメンバーって
え
今日って俺だけじゃないの???
計画が早くも狂い始めた俺
そういえば、「見学の方」ってさっき言ってたよな??
ということは、ここには普段から来ているレギュラーのメンバーがいるってことなの??
うわあ・・・
やりづれえ・・・
とりあえず、テンションを下げながら着替えた俺は更衣室から再び会場へと移動した
すると
「わー!!!!!!!」
雄叫びを上げながら
クソガキが猛ダッシュで乱入してきた
これがさっきの他のメンバーとやらか!
しかも一人ではない
その数なんと・・・
四人!!
クソガキ×4とその両親がやってきたのだ
広い会場の中を縦横無尽に駆け巡るクソガキ
いきなり兄弟喧嘩を始めるクソガキ
お父さんと思しきオッサンのケツにパンチをしまくるクソガキ
一気に収集が付かなくなってしまった
そして
「コォラ!!何してんの!?やめなさい~~~~!!!」
クソガキにガチ切れを噛ますオカンと思しきオバサン
(やばい・・・今すぐ帰りてえ・・・!!)
呆然とする俺
そんな俺のすぐ傍をすり抜けるようにして、猛ダッシュのクソガキはその勢いのまま部屋の外へと出て行ってしまった
何もかもがグダグダ
先生(長髪の男)とそのアシスタント、俺、クソガキ×4、そしてこの子らの両親
この謎のメンバーにて、今日のイベントは始まった
「まずは正眼に構えてください!」
木刀を渡され、そう言われる
クソガキはコントロール不能のため、俺と先ほどケツをシバかれていたオッサンとで一先ず練習となった
正眼といえば・・・つまり中段である
刀が水平になるように構える
のだが
周りを見ると水平ではなく、切っ先を少し上にするようにして構えている
それに前足に重心を乗せた前傾姿勢を取っている
マンガで見るような剣の構え
これが正眼??
早速質問する
すると
「殺陣なので、台本とかその配役の設定によって構えは異なりますが、概ねやや前傾姿勢で切っ先を相手の喉元に向けるくらいのイメージで構えますね!」
まじかよ
的な感じで基本的な動作を習った後
殺陣に入る
設定としては
俺が暗殺者で、先生(長髪の男)に斬りかかり
鍔迫り合いなんかをした後、先生が倒れて終わり
というストーリー
俺が大学時代にやっていた神伝流の奥伝、最後の技に追掛け斬りという後ろから敵に近付いて、斬る技がある
辻斬り的な技のため、道場によっては伝承することを禁じ、失われているところも多いが
居合道部ではやっていた
そのテクノロジーを活かし、俺は木刀で斬りかかる
「恨みはないが、死んでもらう・・・!」
だが
「キャーーーーー!!!」
さっきダッシュでどっかへ消え去ったクソガキが戻ってきたらしい
雄叫びを上げながら、再度乱入してきた
そして母親がまたブチ切れる
「・・・」
俺の方まで何とも言えない空気に包まれる
が
「とりあえず、もう一度やりましょうか」
先生が仕切り直し
気を取り直して再開
さあ!!死ね!!
的な気持ちで斬りかかろうとする俺
しかし
「ちょっとストップ!近すぎます!カメラの尺と合わない!」
斬りかかる寸前にストップを掛けられてしまった
え
斬るならこの間合いじゃないと、リーチに入らないんだが・・・
「もっと後ろの方から、セリフを言って近づかないと「絵」にならないですよ」
5メートルくらい離れたところから、セリフ言いながら迫ってくるようにと言われる
そんな暗殺者いる!?
とはいえ、まあ殺陣だしな・・・
つうことで尺とやらを調整した状態で再度実演
その後、折角なので動画を取りましょうということになり
さっきのシーンを動画に収めた
ところまでは良かったのだが
ようやくひとしきり暴れ、落ち着きを取り戻したクソガキどもが練習に参加
クソガキどもの実演も撮影する運びになった
しかし問題が一つ
「あの、もう一回スマホのカメラ貸してもらってもいいですか・・・??」
アシスタントから頼まれる
え
何と、この空間にいる連中
俺以外に誰も今、携帯電話を持ってきていないらしい!!
(そんなことある?!)
驚愕しながらも、とりあえずアシスタントの女に携帯を渡す
かくして、俺の端末には名も知らぬクソガキの動画が無駄に収められることになってしまった
的な感じで今日のイベントは終わり
クソガキの父親は武道オタクのようで、俺と「○○流はこんな風で・・・」みたいなことを話せたのが面白かったらしい
「また武道談義しましょうね!!」
帰り際、笑顔でそう言われた
むろん、俺はもうこんなクソガキどもの無法地帯には入り込みたくない
行くことはもうないだろう
俺の下の刀の稽古をつけてくれそうな女もいないしな・・・
つうことで、無駄に疲れた一日であった
つづく
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