ピンクのベッド
俺は今・・・
小さな部屋の中に置かれた
変わった形のピンクのベッドの上に横たわっている
そして、カラダのあちこちを触られまくっていた
「あ、ここ硬くなってますね・・・ほぐしましょう!」
そう言って、グリグリされる
嗚呼
気持ちいい
ああそうだとも
今俺は・・・
せっ・・・!!!
・・・
整骨院にいる
今、変な想像をした人は放課後、職員室まで来るように
春の段審査に向け、俺は姿勢矯正のために来ているのだ
前回、段審査に落ちた一因には恐らく、姿勢の悪さがある
とはいえ、気合だけで直すのは難しいため、こうしてテクノロジーの力に頼っている・・・というわけだ
火曜日から通っているのだが
「体のどこか痛いってことにしないと、保険が適用できません」
初めて行ったとき、そう言われたので取り敢えず背中が痛い、ということにしておいた
生きとし生ける納税者の皆様には申し訳ない気もするが・・・
俺の段審査合格の礎となるため
みなさんの血税は使わせてもらう!!
さてさて
俺は
顔をうずめるためのANAの空いた、変わった形の何故かピンクのベッドにうつぶせになり
筋肉という筋肉をほぐされまくっている
筋肉をほぐした後でないと、矯正のための施術がうまく効かないらしい
ちなみに非常に残念なことにこの体をほぐしてくれるスタッフは男である
体をグリグリされている間、暇なのでこの男と俺は話すことにした
ネームプレートを見るとSという名前らしい
「Sさんは休日、何をしはるんですか・・・?」
クソほど興味のないことだが
他に聞くことも思い浮かばなかったため、しゃーなしに聞いてみた
すると・・・
「あ、僕こう見えて意外とインドア派なんですよ!」
意外とって何だよ・・・
誰もお前が?
アウトドアかインドアかなんて、文字通り「意」に介してなんかねえよ
言い回しがとても癇に障ったが
話の続きを聞くことにした
「なので、本を読んだりとかして過ごしてますよ!」
やっぱりすごくどうでも良かった
その後
「じゃあ先生を呼んできますね!」
先生とやらが来た
柔道部にでも良そうな感じの人だ
その先生が
「じゃあ、背骨こことここ二箇所曲がっているので、矯正していきますねー」
俺の背中のラインを一目見て、問題のある箇所を特定し・・・
「じゃあいきますよー」
抑揚のない声を俺に掛けたあと
俺に関節技のようなものを決める
ベキボキバキポキベキ!!!!
体からすごい音が響く
俺の体から響いたとはとても思えないような
そんな音である
が
こんな書き方をするとさぞかし痛いように思えるかも知れないが
痛みはほとんどない
感触的には、指の関節をパキパキ鳴らすようなイメージだろうか
そうして施術は終わり
これを半年くらいやっていると矯正完了らしい
春ぐらいには直っているとイイなー
つうことで
つづく
コメント