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そいつの名は。

今まで俺は・・・
自分でもあまり意識したことがなかったが、同期というものを結構アテにしていたらしい
思い起こせばそう
ムショにいたときから
販社へ配属となったときまで
なんやかんやでずっと周りには同期がいて・・・
困ったことや分からないこと、上司とかに聞きづらいことなんかは全部周りの同期が助けてくれた
そうやって、会社生活を攻略してきた俺にとって、同期というソリューションに頼れない今の環境は想像以上にハードなものであり
それゆえに
今のところ、ほぼ唯一の気軽に話せる相手であるAさんは貴重な存在であった
そんなAさんだが・・・
今日、俺の元へとやってきた
「あの、突然なんですけどMさんのお名前、お借りしてもよろしいですか?」
・・・???
やばい
意味不明である
しかし、名前を借りるって物騒だなあ
取り合えず、話を聞いてみることにした
「僕はですね、人よりも不安を感じやすい性格なんです。例えばそう、今日朝会社に来るときも「今日、会社に行ってもみんなから無視されてしまったらどうしよう!?」みたいな」
そんなことで毎回不安に駆られているのか・・・
この人も苦難の多き人なんだろう
Aさんは続ける
俺は会社で無視される不安などはないが・・・
前の会社にいた頃は、毎日プレッシャーなんかで吐きそうになりながら出勤していた
気持ちは何となく分かるかも知れない
だが
次の言葉で、俺のそんな思考をしていた頭は完全にフリーズする
「それでですね、そんな不安に名前を付けようと思ったんです!名前は「Mさん」!」
・・・
!?
満面の笑みを浮かべるAさんだが
それと対照的に俺は戦慄していた
この人、何を言っているんだ・・・!?
「だってそうすれば、不安に囲まれたとき「あ!Mさんが来てくれた!」って思えるじゃないですか!そうすれば、不安な時でも大丈夫な気がするんですよ!!」
・・・
名前を変えてイメージを変える戦略なのだろうか
ゲームのことをeスポーツとかいうように
俺はAさんの言わんとすることを強引に理解した
「それで、Mさんのお名前をお借りすることになるので、事前にお断りしておこうと思いましてね、大丈夫ですか??」
大丈夫も何も
心の中で呼ぶくらいなら何でもよくね!?
盛大に心の中で突っ込みを入れ
「もちろん!いくらでも使ってください!」
快諾した
しかし、俺がここに来てから二か月も経ってないのに、Aさんの中での俺のウエイト高すぎないか?
まあいいか
カオスは俺の常である
つうことで
つづく
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