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提督と呼ばれた男
大学時代・・・
俺の知り合いに「提督」と呼ばれた男がいた
何故提督なのかは分からない
当時大流行りしていた艦隊これくしょんともどうやら関係なさそうだった
未だに謎である
そんな謎の提督とは、居合道部の先輩を通じて知り合った
俺と非常に親しかった先輩の知人、ということで紹介を受けたのだ
提督はまるで漫画に出てくる探偵のような恰好をしており
その後、知ることになるのだが
普段からずっとその服装をしているようだった
変な人である
だが
変わっているのはそれだけではない
経歴も異色であった
提督は高校を卒業してから、真っすぐ大学に入ったのではなく
陸上自衛隊に入隊したらしい
そこで訓練に明け暮れる毎日だったそうだが
致命的な「やらかし」をしてしまい、自衛隊にいられなくなってしまったと言っていた
一体、どんなやらかしなのかは教えてくれなかったが
どうやら陸上自衛隊ではちょっとした語り草になっているほどのレベルらしい
その後、大学で学ぶことでキャリアの立て直しを図ろうと決意し
うちの大学にやってきたらしい
当時の提督は三年生であったが
何度もこう言っていた
「自衛隊に戻りたい。でももう戻れない・・・」
どうしてですか、と俺が聞くと
「生きるか死ぬかの世界でしか、俺は生きられないんだ」
遠い目をして決まってそう答えていた
それを聞いた俺は、何が何やら分からず
ただの痛い妄想かと思っていた
が
あれから6年あまりの月日が流れ・・・
俺はようやくその意味を知ることになる
2017年4月以来・・・
俺の毎日は生きるか死ぬかの日々であった
まずはムショ
これ以上やったら死ぬ
と本気で感じる瞬間を毎日10回は味わいながら
それでもベルトコンベアーを止めるわけにはいかないため、死ぬ気で食らいつく毎日
視界の上半分は常に三途の川で
生きた心地がしなかった
そして次は販社
コンプラなんてどこにもない
ノルマのためにやれることなら何だってやった
一週間先のことなんて考えない
一日一日をどうやって誤魔化し、終わらせられるか
それだけを毎日考えて過ごしていた
だがしかし
そんな日々も終わりを迎えた
転職である
俺は何年も恋焦がれた安定、安心して過ごせる生活を手に入れ・・・
ここ数年でも最もまともな暮らしを手に入れた
不満なんてない
そのはずだった
だった・・・
が
足りない
何かが・・・
足りない!!
いや
何か、ではない
俺には分かっている
そう
俺は
もう
生きるか死ぬかの世界でしか満足できなくなっているのだ・・・!!
何たる皮肉
戦いの中でしか生きられない狂戦士
それが俺
戦いを終わらせるために戦っていたはずなのに
気が付けば戦いの中でしか生きられなくなっていた
そんな俺に
行き場所も生き場所もなく・・・
今日も当てもなく浮世を彷徨い続けるのである・・・
つうことで
つづく
俺の知り合いに「提督」と呼ばれた男がいた
何故提督なのかは分からない
当時大流行りしていた艦隊これくしょんともどうやら関係なさそうだった
未だに謎である
そんな謎の提督とは、居合道部の先輩を通じて知り合った
俺と非常に親しかった先輩の知人、ということで紹介を受けたのだ
提督はまるで漫画に出てくる探偵のような恰好をしており

その後、知ることになるのだが
普段からずっとその服装をしているようだった
変な人である
だが
変わっているのはそれだけではない
経歴も異色であった
提督は高校を卒業してから、真っすぐ大学に入ったのではなく
陸上自衛隊に入隊したらしい
そこで訓練に明け暮れる毎日だったそうだが
致命的な「やらかし」をしてしまい、自衛隊にいられなくなってしまったと言っていた
一体、どんなやらかしなのかは教えてくれなかったが
どうやら陸上自衛隊ではちょっとした語り草になっているほどのレベルらしい
その後、大学で学ぶことでキャリアの立て直しを図ろうと決意し
うちの大学にやってきたらしい
当時の提督は三年生であったが
何度もこう言っていた
「自衛隊に戻りたい。でももう戻れない・・・」
どうしてですか、と俺が聞くと
「生きるか死ぬかの世界でしか、俺は生きられないんだ」
遠い目をして決まってそう答えていた
それを聞いた俺は、何が何やら分からず
ただの痛い妄想かと思っていた
が
あれから6年あまりの月日が流れ・・・
俺はようやくその意味を知ることになる
2017年4月以来・・・
俺の毎日は生きるか死ぬかの日々であった
まずはムショ
これ以上やったら死ぬ
と本気で感じる瞬間を毎日10回は味わいながら
それでもベルトコンベアーを止めるわけにはいかないため、死ぬ気で食らいつく毎日
視界の上半分は常に三途の川で
生きた心地がしなかった
そして次は販社
コンプラなんてどこにもない
ノルマのためにやれることなら何だってやった
一週間先のことなんて考えない
一日一日をどうやって誤魔化し、終わらせられるか
それだけを毎日考えて過ごしていた
だがしかし
そんな日々も終わりを迎えた
転職である
俺は何年も恋焦がれた安定、安心して過ごせる生活を手に入れ・・・
ここ数年でも最もまともな暮らしを手に入れた
不満なんてない
そのはずだった
だった・・・
が
足りない
何かが・・・
足りない!!
いや
何か、ではない
俺には分かっている
そう
俺は
もう
生きるか死ぬかの世界でしか満足できなくなっているのだ・・・!!
何たる皮肉
戦いの中でしか生きられない狂戦士
それが俺
戦いを終わらせるために戦っていたはずなのに
気が付けば戦いの中でしか生きられなくなっていた
そんな俺に
行き場所も生き場所もなく・・・
今日も当てもなく浮世を彷徨い続けるのである・・・
つうことで
つづく
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