カウンター
世界は再び俺を愛する

こればかりは、何度やっても慣れない
いつだって怖い
数日前からずっとビクビクして過ごし
数時間前になると居ても立っても居られなくなる
今日も怖い
怖くて怖くて仕方がない
何と話かというと
出会い系で知り合った女と初めてリアルで会うときのことだ
会ってがっかりされたらどうしよう
とか
俺が期待したよりも可愛くなかったらどうしよう
とか
色んなことが頭がいっぱいになる
さらに今回はそれだけではない
俺の経験では、プロフィール写真が良ければよいほど、リアルであった時の落差は大きくなることが多い
が
今回は容姿については不明!
どういう気持ちでデートに臨めばよいのかまるで分らない
故に俺の不安やソワソワ感は数知れず・・・
そうして、今日という日を迎えた
嗚呼、忌々しい
こんな日に限って、寝ぐせが一向に直らない
俺の不穏な胸中を表すかのように
前髪も不穏な形をしていた
どう頑張っても直らないため
寝ぐせ頭を最大限に誤魔化して、俺は出発することにした
・・・
17時30分、阪急河原町駅
女は待ち合わせの20分も前に着いていたらしいが
俺は20分ごろに駅に着いた
ホームに降りたとき
改札へと続く階段を上がるとき
全ての瞬間において、俺は祈る
敬虔なる無神論者として・・・
神よ・・・!!
どうか!
どうか俺に!
巨乳美少女を授け給へ!!!!
お願いだ・・・!!
神よ・・・ッ!!
そしていよいよ
俺は中央改札までやってきた
女がいるというATMの前を見る
するとそこには
体重100キロを超す巨女
でもなく
年齢を20はサバ呼んだBBA
でもなく
普通の19歳の女がいた
(あ、普通・・・)
見た目だけなら前の女の方が良かった
前の女とは初めてデートしたとき、こんな可愛い女と今日デートしているのか俺は!と感慨に耽ったものである
が
この女もまあ可である
取り合えず、当面の危機は脱したか・・・
なんて独りよがりなことを考えながら
ビビりながら女に話しかける
「は、はじめまして・・・Nです。よろしく・・・」
こういうとき、マスクは便利だ
俺のぎこちない笑いもうまく誤魔化してくれる
「あ!はじめまして!よろしくお願いします~」
年齢の割にはしっかりした感じの女である
そうして、デートが始まった
神よ・・・
世界よ・・・
俺を赦してくれ・・・
つづく
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