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卒業式 第二章~圧倒的暇~

例年、3月決算で忙しいはずなのに
俺は
暇で暇で仕方がなかった
そうだ
もう
売らなくていい
むしろ売らないほうがいい
この期に及んで、成約なんか取っても仕方がない
退職のための手続きもトントン拍子で進んでいる
俺はてっきり、部長あたりに退職届を握り潰されるのではないかと思っていたが
部長との面談はあっさりと終わった
部長も過去に転職活動をしていたことがあるらしい
意外と理解のある人だった
俺の卒業式、第二章の部長面談の章はものの15分くらいで終わったのだ
そんな背景もあり
俺は売らなくてよくなった
今まで売ることばかり考えさせられてきたが
こうなると、途端にどうしたらいいのか分からなくなる
暇だ
とりあえず、剥がれかかっている掲示物を直したり
パンフレットなどの資材を整理したり
やってもやらなくてもいいようなことをやる
だが、俺が会社を辞めることはまだ、店長と部長しか知らない
俺のあまりの売る気のなさに、何も知らない周りの連中は戸惑っている
この微妙なジレンマ・・・
なんともおかしな感じだ
嗚呼
俺が卒業することを知ったら、どんな顔するんだろうな・・・連中
少し楽しみだ
つづく
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