カウンター
全てを断ち切る!!
今日は元々
女の休みに合わせて取った日だった
そう、デートする予定だったのだ
嗚呼
あの頃が懐かしい
女から愛されることが当たり前だったあの日々…
デートする日を指折り数えながら、それを心の支えにしていたあの頃…
しかし、女はもうおらず
震災で何かを失ったわけでもない俺にとっては
ただのなんの予定も無い3月11日でしかなかった
だから俺は
悲しみの連鎖を断ち切るために
あるプランを実行に移すことにしたのだ
その前にまず
すまない・・・ライ・・・
ライに拾われたこの命をこんなことに使ってしまって
どうか赦してほしい
さて、
前置きが長くなったが、プランはこうだ
女が好きだと言っていた、白のタートルネック
こいつの上に、これまた女からクリスマスにもらったカーディガンを羽織る
この装備で・・・
商売女とファックしに行くのだ
これぞ!
女に対する当てこすりの極致!!
俺を裏切ったあの女を…
人知れず裏切り返してやる!
そう
そうすればきっと…
止まない雨が振り続ける俺の心も晴れるだろう
ということで
来た
天王寺駅で下車し、歩くこと約十分…
ここは…
飛田新地!
言わずと知れた日本有数の風俗街
女を裏切り返すのに、ここ以上に適した場所はないだろう
すぅー…はぁー…
これから自分がやろうとしていることを今一度想起し、深呼吸する
感慨深く周りを見渡す
平日の昼間のせいか
コロナのせいか
人はほとんどおらず、何だか異様な光景だった
一見すると歴史的な趣のある町にしか見えないが…
ちらっ
恐る恐る、建物の中を遠巻きに覗き込んで見る
(え…!?)
めっちゃキレイなお姉さんがいた
見間違いかと思うほどに!
しかも手を振っているではないか
あのお姉さんと…
ヤレるの!?
脳内に激震が走る
すごいところに来てしまった
最早、あのお姉さんでいい気しかしない!
だが、折角だ
もうちょっとだけ見て回ろう
「お兄ちゃん!こっちこっち!!」
俺が歩くたびに客引きのおばちゃんの声が響く
その度に目をやるのだが…
どのお姉さんもみんな可愛いし、美人だし
巨乳!
だが、結局俺は…
最初目に入ったお姉さんの店に入ることにした
…
近くで見るそのお姉さんは非常に美人であった
いや
美人過ぎた
作り物みたいだ
いや
作り物だろう
ものでも切れそうな鼻筋
切れ長という言葉でしか、他に形容のしようがないほどに切れ長の目
整形しているのだろう
服の上から激しく自己主張するおっぱいもまんまるだ
これもきっと人工的なものだろう
しかしそんなことはどうでもいいことだ
この人と今からファックする!!
大切なのはそれだけ
それで俺は…
全てを断ち切る…!!

超究武神覇斬ver5でクラウドが口にするセリフを浮かべながら、俺は店の奥へと進んだ
…
建物は2階建てで、二階がやるための部屋らしい
3つある部屋の内の一つに通された
中は薄暗く、謎のオブジェが飾ってある
田舎のおじいちゃんとかの家みたいだ
そして、そのオブジェの前にせんべい布団のイデアのようなせんべい布団が敷いてある
が
一応、建前上は飲食店である
まず最初にお姉さんから水とお菓子を出された
スーパーで売ってるような普通のお菓子…
だが、よく見ると棒付きアメも含まれている
飛田新地の棒付きアメといえば有名だ
見慣れたペコちゃんの棒付きアメだったが
ここで見るそれは独特なオーラを放っていた
さて
水を少し飲んで、俺は超究武神覇斬ver5の準備を始めた
といっても服を脱ぐだけなのだが
お姉さんとお互い全裸になる
お姉さんの体には至るところに入れ墨があり
また、やはりというか、おっぱいはまんまる過ぎるくらいにまんまるであった
「じゃあ、横になって…?」
お姉さんに促され、せんべい布団に横たわる
お姉さんは口でコンドームを加え、それを器用に俺のピッパラに装着した
すごいテクノロジーだ
それに気持ちいい
でも
元旦に食らった女の生朝フェラの方が気持ちよかった…!!
フラッシュバックに襲われる
このままではいけない
気持ちを切り替えるために、俺は早く入れたいと言った
うん
お姉さんはそう言うと
好きな体位を聞いてきたので、正常位とバックだといい
まずは正常位から始めることになった
ピッパラをインサートする
女とファックするときは、最初は大体正常位から始めていた
そして、女に覆いかぶさるようにして倒れ込み、
甘い匂いのする大好きな首筋を存分に嗅ぎ回り
耳たぶを舐め回したり甘噛したりするのが常だった
嗚呼
あの匂いを久し振りに嗅ぎたい…!
そう思った俺は、お姉さんの上に覆い被さり
そっと、首筋に鼻を押し当てた
押し当てたのだが…
あれ
しない
匂いが…
しない!?
圧倒的…無臭…
まるで無生物か何かのようだ
ダメだ
これではまるで…
興奮しない!!
とはいえ、ここで立ち止まるわけにはいかない
精神的にも、肉体的にも!!
俺はグラインドを続ける
そして数分後…
我が分身たちはコンドームに守られながら、お姉さんの中で炸裂していた
終わると非常に呆気ない
お姉さんはそそくさとコンドームを外し、俺のピッパラを丁寧に拭き取った
女とファックするときは、いつも出した後もしばらくイレっぱなしにしていた
そして余韻に浸りながらピロートークをしていたものだ
俺はファックも好きだが
それと同じかあるいはそれ以上に前儀とピロートークが好きだった
しかし
そんなものは当然、ここにはない
時間終了を告げる電話が鳴り
俺は急いで服を身に纏い
棒付きアメを渡されてさっさと店を出た
余韻もクソもない
何だか虚しい
どうやら彼女とのファックから俺は肉体的な繋がりだけでなく、精神的な満足感も強く与えられていたらしい
思えば、ファック自体はいつも数分で終わっていたが
その前後のアレコレを長く取っていたため、いつもホテルには2時間か3時間くらい滞在していた
それがないからきっと、こんなにも虚しいのだろう
嗚呼…
ファックがしたい
心も体も満たされるファックがしたい
彼女と
ファックが
しとうございます…
お願いだ…神様…
ファックの神様でも恋愛の神様でも何でもいい…
かつて俺が当たり前にやっていたあのファックを
また当たり前のようにさせてくれ…
お願いだ…いや、お願いします…
あれじゃないとダメなんです…
全てを断ち切るために行った本作戦だが
完全に裏目に出る結果となってしまった
俺は再び悲嘆と絶望に暮れ
まだまだ寒さの残る3月の大阪の街を後にしたのであった…
つづく
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