公開結社豪泣部

「嗚呼、バッテリー上がりですか・・・いえ、これは関係ないですよ？その・・・車が新しいとか古いとか、車検を受けたばかりだ、とかね？」

点検を受けたばかりの車のバッテリーが上がってしまった

客からそんな話があり、俺はその客の元へと来ていた

いつもならそう・・・

チンパンだとか、類人猿だとか

そういう風に言う俺だが

今回は違う

こいつは「人間」だ

何故なら・・・

「バッテリーが上がって、往診に行けなくなってしまって困りましたよ・・・はは・・・」

こいつは医者なのである

医者はさすがにサルではない

しかし・・・

この医者、GJである

こいつのお陰でサボれるからだ

「まあ後は私がやっておきますから、車が直ったらまた言いますよ。」

俺はそう言って、客を立ち去らせると・・・

車のボンネットを開け、作業に取り掛かり

一分後にはスマホで転職サイトを見ていた

そう

バッテリー上がり、なんてものは、要はバッテリーを充電してやれば済む話なのだ

故に、バッテリーを線に繋ぎ、充電の用意さえできれば・・・



あとは待っているだけ

バッテリーを接続する作業など、１分もあれば終わる

これでテキトーに必要以上に時間をつぶし

「一仕事終えました」的な顔で客に作業完了の報告をすれば一丁上がり！

勿論、営業所へはまっすぐ帰らず・・・

途中のコンビニでお菓子でも買って、のんびり食べて

客がごねたせいで、時間がかかったが、何とかなりました、と言いながら営業所に戻れば任務完了である

お陰で２時間はサボることができた

嗚呼・・・

毎日、こういう感じだったらいいのにな

つづけ