公開結社豪泣部

９月４日・・・

俺は秘かに２つのことを期待していた

まず一つ目

台風で会社が休みになること

しかし・・・

「おはようございます・・・」

朝９時３０分

俺は営業所にて、先輩に朝のあいさつを行っていた

そう

俺の一つ目の願いは打ち砕かれ、普通に出勤となったのだ

さらにいえば

こんな大嵐の日に、クソ車なんか見に来るクソなんているのかよ、いやいるわけがない！

そんな風に思っていたのだが・・・

なんと驚くべきことに、そのような酔狂なクソが二匹もご来店召された

流石の俺もこれには驚いた

次に二つ目

台風で店舗が損壊し、休業にならないか、という願い

あの台風はそれはそれは素晴らしく強力なもので

戦後最強クラスの一つであったそうな

強風でいろんなものが壊れまった

そういうノリで、例えば店の看板がボキっと折れて倒れて、ショールームがめちゃめちゃになったりとか


車が飛んできて、こんな風になったりとか・・・

そんな展開を期待していたのだが・・・

室外機が倒れたりとか

デカいバケツが飛んできたりとか

ちょっとだけ停電したりとか

そういう程度の低いアクシデントばかりで、店舗はほとんど損壊しなかった

実につまらない

停電といえばそう

信号が停電して、動かなくなった

真っ暗な信号である

俺は信号が大嫌いだったので、これは嬉しかった

信号のことを考えずに交差点に進入できるちょっとした快感

このまま一生動かなければいいのに

つうことでつづく