公開結社豪泣部

紺のジャケットに白のズボン

そしてその日、一番アイロンがかかっているシャツ

女と会うときの服装はいつもそう

俺の制服みたいなものだ

そんな俺とは対照的に、女はこの日のためにわざわざ服と靴と口紅を新調してきたという

プレッシャーになるといけないと思って、黙っていたんですけどね、そう言いながらも思いっきりカミングアウトしてくれた

おいおいおいおい

まじかよ

気合入りまくってるな

素直にうれしくはある

だが

そんなこの女の気持ちに俺は応えられるだけのことを、今日できたのだろうか・・・

それを振り返ってみよう

出会い系で釣った女と初めて会う

待ち合わせ時間は１２時半だったが

女が来たのは１０分後の４０分だった

「電車の時間、午前と午後をごっちゃにしてました～。本当にごめんなさい！」

ということらしい

なかなかにあれだな

天然ボケである

が本人にそういうと

「いや私は違います」

と大真面目な顔で言われてしまった

そこまで断言されると俺もああそうかとしか返せない

変わった女である

が、こんなのはまだ序の口

茶色とピンクを足して二で割ったような、女のその髪色

俺がそこに言及すると・・・

「先週まではオレンジでしたよ！でも不評だったからすぐにやめちゃった」

！？

髪が・・・オレンジ！？



俺の聞き間違いだろうか

いや、オレンジと聞こえたぞ

世界は広いな・・・

さらには

「私の部屋、カーテンが無いんですよ。だから朝日と共に目が覚める！」

！？

女の部屋にカーテンが無いってどういうこと！？

俺が聞き返すと

「だって二階だし、それに曇りガラスだから、見られても平気！カーテン要らないんですよ！」

そういうものなのだろうか・・・

なんということだろうか

俺としたことが、女に圧倒されている

こいつはそう

間違いない

変なやつだ・・・！！

というわけでつづく