公開結社豪泣部

「お前、ちょっとノボリ片づけてこいや」

そういって、デスクに座ったまま、窓の外を指す上司

窓の外・・・というと、例のカメムシ天国となっているライトのあたりである

そのライトのほぼ真下には、ノボリが立っており

それを回収してこいとこの上司は言っているのだ

あまりにも過酷すぎるこの仕打ち

今日も淘汰圧は全開で俺に振りそぞいているようだ

だが

「あれはちょっと・・・無理です」

当然、俺は拒否した

俺は生来、虫というものが苦手である

さらにそれがカメムシとなればなおさら

故に俺は断った

しかし

「そうはいっても、他の人にやらせるわけにもいかへんやろ」

そういってけんもほろろに突っぱねられてしまった

いやいやいや

俺じゃなくてお前がやれよ

無理だっつってんだろ

日本語大丈夫か？？

とはいえ

これ以上の交渉は無理だと判断した俺は、しぶしぶ営業所の外に出た

バチ！バチ！！バチ！！！

嗚呼

嫌な音が聞こえる

数多のカメムシとカメムシとがぶつかり合うことで生ずるこの音

ざっと見て１００匹はいるだろうか

深い絶望に飲み込まれる

こんなに絶望したのは、入社式の時以来である

正に、これぞ４K

そう

きつい汚い臭いカメムシ

で４Kである

いや、むしろこれはカメムシカメムシカメムシカメムシで４Kだろうか

カメムシまみれのこの状態を形容するのには、こう表現したほうが良いだろう

そして、この４Kを前に俺は

正攻法でいくのをあきらめた

つうことで

つづく！

ちなみにカメムシは無理だが亀は大丈夫である