公開結社豪泣部

「今日はラインが１．８秒速くなります」

朝の始業前のミーティングみたいなんでハンチョウがそう告げる

え？

また？

先週スピードアップしたばっかなのに？

６４秒で既にアヘっていたのに、６２．２秒になったらどうなるん？

腹上死？

そんな俺の疑問をかき消すように、ハンチョウは続ける

「でもこれは、改善点を見つけやすくするためにやる、一時的なものです。スピードアップして、エラーがよく出るようになった工程を改善します。わざとスピードアップすることで、改善の余地のある工程を見付けやすくしています。」

うーん？

何だか分かったような分からんような

まあつまりアレか

ファックで例えると、強制的にアヘらせることによって、どこがイイのかを見つけやすくする・・・みたいな

そんな感じなんだろうとテキトーに理解した

しかし、これがあの、有名な「カイゼン」なんだろうか

トヨタ式の現場主義

トヨタが提供しているものは自動車だけではない

あらゆる管理ノウハウをも世界に提供している

とか考えているうちに刑務作業開始時刻に

今日は６２．２秒以内に任務完了しなければいけない

が、別にできなくてもイイ

アヘってもイイ

カイゼンのためには、むしろその方が良いだろう

だが、

しかぁし！！

俺はへそ曲がりなのでる

故に

アヘれと言われれば

アヘりたくなくなるのが性！！！

だから今日は

全身全力全速力で行かせてもらうぜえええええええ！！！！！

俺は今日！

絶対に

アヘらないッ！！！

なーんて思っていたのも束の間

「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！」

３０分後、俺はあえなく轟沈し、

アヘっていた

まあガッツによるパワーなんてやっぱ限度があるよね

つづく

ゼンリョクと言えばこれだな