公開結社豪泣部

日本初の土曜日休みは、松下幸之助率いる松下電器産業、現パナソニックが昭和４０年、西暦でいえば１９６５年に導入したものである

これは、松下がアメリカに視察に行ったときに受けた影響によるもので、休みを与えることで生産性を挙げる、という発想が大元になっているらしい

当時の日本には「企業戦士」とか「モーレツサラリーマン」という、今の言葉で言えば社蓄みたいな人が当たり前の時代で、土曜日も普通に出勤日であったという

だから、多分だけど、当時の日本人には、松下が土曜休みを始めたことがどれだけ革新的なことか、分からなかっただろうな

だが、そんなことがあっても、１９９０年代には、官公庁も土曜日休みを導入するようになり、週休二日がスタンダードな世の中になった

さて、そこから更に時は流れて２０１７年

ここに某自動車メーカーで働く男がいる

今の話の流れから言えば、当然、この男も明日は休みのはずである

そう

この国ではすっかり土日休みが定着している

だから、この男も明日は休み

みんなそう思う

が

しかし

そんな予想に反して、この男は明日も仕事なのである

勿論、代休などない

即ち

週休一日

即ち

企業戦士

即ち

高度成長期

何度も言うが、今は２０１７年である

が、この男の生きている世界は高度成長期である

摩訶不思議

彼の会社はタイムマシンなのだろうか

過去へと通ずる、タイムマシンなのだろうか

いくつかの謎を残したまま、彼は明日も仕事へと向かうのである

つづく