カウンター
けいむさぎょーれぽその3
自分が起きているのか寝ているのかよく分からない
とてもぼんやりしている
目に見える光景もなんだか、靄がかかったかのように感じる
夢でも見ているようだ
しかし、体は俺の感覚とか無関係に勝手に動く
気が付くと右手にチューブ
左手にウォッシャー液の噴射ノズル
そして小脇にサイレンサーと呼ばれる布を抱えている
いつの間に手に取ったのだろうか
流れてくる車種によって取り付けるパーツも全て違ってくるのに、俺はちゃんと取り付けるべきパーツを手に持っている
無意識のうちにやったのだろうか
我ながら大したものである
自分のことなのに、なんだか他人事のように感じてしまう
俺は今、ベルトコンベアーの上に載っているから、後ろ方向に絶えず流れているはずなのに、その感覚さえ分からない
天井を見上げて、初めて自分が移動しているのだと認識する
全てがなんだかよく分からない、
ぼんやりしている
が、足と指とが痛いのだけはよく分かる
とても不思議な感じである
明日もまた仕事
俺はどうなってしまうのであろうか
つづく
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