カウンター
新たな境地
今日も会社へ行く
朝飯はウィダーインゼリー
これなら今の俺でも難なく摂取できる
嗚呼
どうか課長よ、今日もテレワークでいてくれ
そんな願いを込めながら電車に乗る
すると
「今日明日はテレワークさせていただきます」
課長からのメールが!
きた!!!!
気分はルンルンである
だが
そんなルンルンも長くは続かなかった
午前10時半ごろ
それは起きた
「前の適性検査では、その人の誠実性を表す項目があったと思うんやけど、新しいバージョンでは何っていう項目なんかな?しっかしほんまわっかりにくい仕様にしたなあ~?」
顧客からの問い合わせが入る
こいつは通販会社をやっている社長で、かなり古いユーザーらしい
課長が気に掛けていた客だ
うちがやっている適性検査は昨年、リニューアルしており、古参のこいつはリニューアルした仕様がいちいち気に入らないらしく、昨日からちょくちょく電話が入っていた
そして俺は古いバージョンの適性検査についてなど当然知らず・・・
瞬時にかなりまずい状況に陥った
挙句
「それにこれ、印刷しよおもても端っこの方切れてるやん!?前のバージョンではこんなことなかったのにな~?余計なことしてくれて・・・」
それは明らかにプリンターとかの設定の問題であり
バージョンアップとは絶対に関係ないと思うのだが・・・
かなりイラついていた
電話だけでこのIT音痴のおっさんに印刷の仕方を教えて、旧バージョンとの違いを説明しながら質問に答える、なんてことは到底できない
俺がどこから始めてよいのか、答えに窮していると
「そもそも、自分んとこの課長、今日朝一俺に電話してくれるって昨日ゆうてたのにそれも無かったし、どないなっとんねん!それに、自分ももっとサービスのこと勉強しとけや!」
ドヤされた
嗚呼
懐かしいなこれ・・・
前の会社ではよくあったが
転職してからは初めてだ
なんて感傷に浸る間もなく
取り合えず俺は、課長から連絡いたしますと伝え
電話を切った
(嗚呼、終わった・・・)
アクシデントなど、絶対に起きてはいけないこの一週間に
誤魔化しようもないアクシデントが起きた
俺の役割には適性検査に関するヘルプデスク的なことも含まれているため、
これでは職務を全うする能力が不足していると判断されても仕方がない
課長に事のいきさつを連絡したあと
俺は席を立ち、自販機の前で缶コーヒーを飲んだ
冷たいコーヒーを飲むと頭が冷めてくる
すると・・・
(ま、これが運命ってやつなんだな)
俺は全てをあきらめ、新たな境地を開いた
この会社での俺の人生は終わった
そう考えると途端に身も心も軽くなり
無限の行動力を手に入れたような気持になった
そうして迎えた昼休み
俺はいつもならしない行動に出た
昼飯を誰かと食べることだ
相手を探していると・・・
ちょうど良いところに七光りとKさんがいた
二人で並んで立っている
解説すると
七光りは京都を代表する某大企業の御曹司、父親がうちの社外取締役で、コネ入社してきた
Kさんは俺と同い年の営業の人で、たまに話す人
である
そんな二人がエレベーターホールの前にいたので、俺は声を掛けた
「これから昼ですか?私も入っていいですか?」
ある意味、重役以上に重役なこの七光りなど、昼飯に最も誘いにくい人間なんだろうが
全てを諦め、解脱した俺にとってはお構いなしである
そうして、快く受け入れられた俺は、Kさんの案内で餃子の店に来た
飯を食べながら、Kさんが話す
「あそこにシェイクシャックってハンバーガー屋がありますでしょ?あれは最後の昼飯を食べるところなんですよ」
聞けば、退職する人との最後の昼飯はそのハンバーガー屋で食べるのがちょっとした伝統なのだという
「ですから、もし退職するときはそこでハンバーガーを食べましょう!」
あははは!
七光りとKさんは笑っていたが
この話も俺にとってはフラグとしか思えなかった
(近い将来、多分そのハンバーガー屋に俺と行くことになるな・・・)
その後、昼飯代は俺や七光りの入社祝いということでKさんが負担してくれることになり
我々はオフィスへと帰っていった
さあ
今の俺に恐れるものなどない
どこからでもかかってきなさい
俺の無双直伝流が受けて立つぜ
課長・・・!!
つづく
朝飯はウィダーインゼリー
これなら今の俺でも難なく摂取できる
嗚呼
どうか課長よ、今日もテレワークでいてくれ
そんな願いを込めながら電車に乗る
すると
「今日明日はテレワークさせていただきます」
課長からのメールが!
きた!!!!
気分はルンルンである
だが
そんなルンルンも長くは続かなかった
午前10時半ごろ
それは起きた
「前の適性検査では、その人の誠実性を表す項目があったと思うんやけど、新しいバージョンでは何っていう項目なんかな?しっかしほんまわっかりにくい仕様にしたなあ~?」
顧客からの問い合わせが入る
こいつは通販会社をやっている社長で、かなり古いユーザーらしい
課長が気に掛けていた客だ
うちがやっている適性検査は昨年、リニューアルしており、古参のこいつはリニューアルした仕様がいちいち気に入らないらしく、昨日からちょくちょく電話が入っていた
そして俺は古いバージョンの適性検査についてなど当然知らず・・・
瞬時にかなりまずい状況に陥った
挙句
「それにこれ、印刷しよおもても端っこの方切れてるやん!?前のバージョンではこんなことなかったのにな~?余計なことしてくれて・・・」
それは明らかにプリンターとかの設定の問題であり
バージョンアップとは絶対に関係ないと思うのだが・・・
かなりイラついていた
電話だけでこのIT音痴のおっさんに印刷の仕方を教えて、旧バージョンとの違いを説明しながら質問に答える、なんてことは到底できない
俺がどこから始めてよいのか、答えに窮していると
「そもそも、自分んとこの課長、今日朝一俺に電話してくれるって昨日ゆうてたのにそれも無かったし、どないなっとんねん!それに、自分ももっとサービスのこと勉強しとけや!」
ドヤされた
嗚呼
懐かしいなこれ・・・
前の会社ではよくあったが
転職してからは初めてだ
なんて感傷に浸る間もなく
取り合えず俺は、課長から連絡いたしますと伝え
電話を切った
(嗚呼、終わった・・・)
アクシデントなど、絶対に起きてはいけないこの一週間に
誤魔化しようもないアクシデントが起きた
俺の役割には適性検査に関するヘルプデスク的なことも含まれているため、
これでは職務を全うする能力が不足していると判断されても仕方がない
課長に事のいきさつを連絡したあと
俺は席を立ち、自販機の前で缶コーヒーを飲んだ
冷たいコーヒーを飲むと頭が冷めてくる
すると・・・
(ま、これが運命ってやつなんだな)
俺は全てをあきらめ、新たな境地を開いた
この会社での俺の人生は終わった
そう考えると途端に身も心も軽くなり
無限の行動力を手に入れたような気持になった
そうして迎えた昼休み
俺はいつもならしない行動に出た
昼飯を誰かと食べることだ
相手を探していると・・・
ちょうど良いところに七光りとKさんがいた
二人で並んで立っている
解説すると
七光りは京都を代表する某大企業の御曹司、父親がうちの社外取締役で、コネ入社してきた
Kさんは俺と同い年の営業の人で、たまに話す人
である
そんな二人がエレベーターホールの前にいたので、俺は声を掛けた
「これから昼ですか?私も入っていいですか?」
ある意味、重役以上に重役なこの七光りなど、昼飯に最も誘いにくい人間なんだろうが
全てを諦め、解脱した俺にとってはお構いなしである
そうして、快く受け入れられた俺は、Kさんの案内で餃子の店に来た
飯を食べながら、Kさんが話す

「あそこにシェイクシャックってハンバーガー屋がありますでしょ?あれは最後の昼飯を食べるところなんですよ」
聞けば、退職する人との最後の昼飯はそのハンバーガー屋で食べるのがちょっとした伝統なのだという
「ですから、もし退職するときはそこでハンバーガーを食べましょう!」
あははは!
七光りとKさんは笑っていたが
この話も俺にとってはフラグとしか思えなかった
(近い将来、多分そのハンバーガー屋に俺と行くことになるな・・・)
その後、昼飯代は俺や七光りの入社祝いということでKさんが負担してくれることになり
我々はオフィスへと帰っていった
さあ
今の俺に恐れるものなどない
どこからでもかかってきなさい
俺の無双直伝流が受けて立つぜ
課長・・・!!
つづく
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