公開結社豪泣部

本日１８時頃

俺のスマホが鳴った

ポケットから取り出してみると、知らない番号

うおおおおおお！！

来た

俺は確信した

そう

これは面接へのお誘いの電話

いわば、蜘蛛の糸！！

俺をこのクソだまりから引っ張り上げてくれる、蜘蛛の糸！

さあさあさあ！

どこのホワイト企業さまだ！？

俺に真っ先に電話をくれたのは！！

震える手で俺は電話を取った

すると・・・

「ご注文のワイシャツが予定より早くできたので、ご連絡させていただきました！」

テーラーからだった

俺が先月、注文したイージーオーダーのワイシャツの話である

えええ

圧倒的、肩透かし感

しょぼーん

あー

早く蜘蛛の糸を掴みたい

もちろん、掴むは切れない蜘蛛の糸

いつになったら降ってくるのやら

つうことで

つづく

天気の話題をするらしい

そう

心理学で習ったけど、人は知らん人と話すとき、天気の話題から入ることが多いんだとか

なるほどと思った

天気は無属性である

政治とか経済とか宗教とか

そういうややこしさがない

故に最強の話題の一つではある

が

俺の今までの人生で天気の話題で盛り上がったことはない

つまり最弱

最強にして最弱

それが天気の話題

つうことであえての天気ネタで今日は攻めてみたナ☆

ああ

そういや

もう春か



春と言えばそう

出会いの季節！

らしいが

最近、出会い系の方はからきしである

参ったなあ

引っ掛かるのは年上のアラサー女ばかり

アラサーは嫌である

結婚させられそうで怖い

年下でなんかこう、感じの良い女を釣りたい

つうことでつづく！

「うちの息子も今年就活なの～、もう、どうしよ～！文学部なんだけど、エントリーシート？とか全然書けないって言ってて～」

こないだ来た客のBBAがそんなことを言ってきた

俺がメーカーからの出向で来ていると言ったせいだろうか

今の俺が働く自動車メーカーに、就活の時は何て言って入ったのか

それを聞かれた

「まあそうですねー、企業理念に共感したーとかそういうことを、一ミリも共感してなくても、まことしやかな顔して言ったりとかですかねえ」

他人事のような口調でそう言ったものの

かくいう俺も隠れ就活生である

他人事とは思えなかった

しかし、企業理念に共感した、とは我ながら意味不明な発言である

企業理念なんてどうせどこの会社でも同じようなものである

それをヒントに志望動機とかをでっち上げるのなんて、至難の業である

そんなの俺だってできねえよ

故に俺のこの発言は、何のアドバイスにもなっていない

実に無意味な発言である

このBBAに果たしてそこまでの洞察力があったのかどうかは知らないが、俺の答えにどうにも腑に落ちていない様子

それからもずっと商談なんてそっちのけで、どうしようどうしようと就活の話ばかりしていた

どうにもならねえよ

どうしよ～！とか言ってるうちは

どうにもならねえ

意味不明な会社に入って終わり

今の俺とおんなしさ

ラッキーなんて起きない



勝つべくして、勝て・・・！！

あのBBAには是非とも一度カイジを読んでほしいと、そう思いました☆

つづく

俺は自分で自分を許せるようになりたい

だが今はそれができない

自動車販売なんて、俺のやるべきことではない

いや、最近は少し考えを改めた

自動車ディーラーマンなんて、類人猿のやる仕事だと思っていたが、

あれはあれで誰かがやらねばならない仕事ではある

故に過度に否定すべきではない

車を買いたいとき、車がぶっ壊れたとき、事故ったとき

あいつらがいないと何かと不便である

だが

だからといって、それを俺がやる、というのはまた別問題である

だからこそ！

エントリーシートを書く

いつでも

どこでも、である

昼飯を食いながらとか

ちょっとした待ち時間に、とか！

そう

俺は就活をしている！！

自動車販売など、俺は嫌である！！

この現状に対する絶望から

そして助かるかも知れないという希望が

絶妙に混ざり合い、俺に力を与える！！

既に何社だろう

７か８くらいはエントリーシートを出した

二日に一社は志願しているような勢いである

俺がこんなにエネルギッシュなのは本当にいつぶりだろうか！

しかし

なかなかに選択肢は限られる

既卒者でかつ職務経験アリ、という俺が応募できる企業は結構限られている

既卒はOKだけど、職務経験ある人はダメとか

そういう処女厨みたいな制約が多い

なんやねん！！

つうことで俺の戦いはつづく！

棺の中のじいさんはそれはそれはもう

ひどくやせこけていた

頭蓋骨の輪郭が透けて見えるほどに！

俺の良く知るじいさんの面影など無い

遺影の人物とは似ても似つかぬ

かなんなあ

しかし、ばあさんの通夜から約一か月後に今度はじいさんが亡くなるとは思ってもみなかった

通夜や葬儀のフローなどがすっかり頭の中に入ってしまった

かなん

つうことでつづく